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環境変化へのスキンケア

環境変化へのスキンケア

首都圏以西では、3月に桜の満開を迎え、4月には芽吹きや新緑が目に付くようになるのではないでしょうか?日本の季節は半月程度前倒しになっているのは間違いなさそうです。季節感は変化しても、4月特有の人間関係や住生活などの環境変化があるのは毎年変わりませんね。4月より「新年度」がスタートする日本では、入社、人事異動、入学、新学期、引越しなど、公私共に環境や生活リズムが大きく変化します。今回は環境変化を意識したスキンケアや美容ライフへの取り組みについてお伝えします。 4月特有の環境変化を理解する 1.気象環境の変化   昨年2021年の東京の気象データで特徴的なのは、お肌のストレスにつながる寒暖差・湿度は真冬並み。つまり、寒暖差が大きく、引き続き乾燥状態にあることがわかります。注目いただきたいのは全天日射量です。4月は、年間で最大の日射量を記録しています。 本来、北半球で昼間の時間が最も長くなる夏至(2022年は6月21日)こそ、日射量も最大となるはずですが、この時期の日本は梅雨の時期と重なるため、実際の日射量は低下します。4月は、夏至に向かって昼間の時間が長くなり続け、6-7月より晴天の日も多い傾向ですので、日射量が大きくなります。 気温や湿度の面では、冬同様のスキンケア対策が必要で、太陽光に対しては最高レベルの対策が必要な4月であると理解しましょう。 2. 生活リズム、環境の変化   日本特有の状況ですが、4月は1年の中でも生活リズムや環境が大きく変化する人が多い月となります。このような生活環境の変化は、美容と健康にとっても大きなストレスとなります。新入社員や新入学の学生などを対象に語られる「5月病」も、これら生活のリズムや環境変化というストレスが一因になっていると思われます。緊張感の中で4月は乗り切れたものの、ゴールデンウィークの休日を経て、倦怠感や体調不良に襲われてしまう。生活環境の変化というストレスが心理的・身体的な変調を引き起こすものです。お肌も心理的・身体的健康と密接に関わっていますので、「5月病」は、肌荒れ、吹き出物、極度の乾燥や敏感なお肌の状態へと傾かせたり、不調を引き起こしかねません。 環境変化ストレスに負けない美容ライフ <気象・気候変化への対応>4月の気候・気象状況のキーワードは寒暖差、乾燥、そして日射量です。また、花粉・黄砂などの飛散物質による外的なストレスも加わります。冬同様に保湿ケアを意識して継続することでお肌の角質代謝を健やかに保ち、バリア機能の維持に努めましょう。さらに、夏本番と変わらぬ日射量となりますので、太陽光ケアとしての日焼け止めを正しく、たっぷり使いましょう。 <生活環境変化への対応>生活のリズムや環境の変化によるストレスからの変調を回避するために意識したい取り組みについてお伝えします。✔ 十分な睡眠、休息をとる✔ 適度な運動(散歩、ジョギング、ストレッチなど)✔ 趣味などに没頭する時間を設ける✔ 抱え込まず友人や家族に相談する✔ 不満、不安の自己感情を肯定的に受け止める✔ 規則的な生活リズムの維持に努める 太陽光ストレス 近年の研究で、紫外線(UVB、UVAの2種)に加え、ブルーライト、近赤外線の肌への影響も報告されています。スキンケアで知っておきたい4種の太陽光ストレスについてお伝えします。   ・紫外線(UVB、UVA)の2種紫外線B波(UVB)…地表に到達するのは約5%程度ですが、エネルギーが強く、サンバーン(表皮を損傷させ火傷状に)を引き起こし、シミ・そばかすの原因となります。 紫外線A波(UVA)…地表に到達する紫外線の約9割を占め、雲や窓も透過し、季節を問わず降り注ぐため年間を通じた対策が必要な紫外線です。 真皮まで届き、シワの原因となることが報告されています。   ・ブルーライト可視光線の中で最も波長が短く、紫外線(UVA)に近い青白色のエネルギーの強い光です。パソコンやスマートフォンなどのディスプレイやLED照明にはブルーライトが含まれており、日常生活でのブルーライトの暴露量が増えています。眼や身体への影響からブルーライトカット効果のある眼鏡の使用などが推奨されています。一方、太陽光の1種として降り注いでいるブルーライトの量はディスプレイや照明よりさらに多く、皮膚にとってもUVA同様の対策が望まれます。 ・近赤外線波長は長く、エネルギーとしては弱い光なのですが、真皮の奥深くまで到達し、UVA同様に皮膚へ影響することが特定非営利活動団体「光老化啓発プロジェクト委員会」より提唱されており、サンスクリーンの目的の一つとして近赤外線対策を加えることが望まれます。 環境変化を意識したスキンケアや美容ライフへの取り組みについてお届けしました。次回は、“新緑の5月、夏への備え”についてお伝えします。

春突入、お肌の覚醒、目覚めのスキンケア

春突入、お肌の覚醒、目覚めのスキンケア

3月の歳時記としては、3日の「ひな祭り」、21日の「春分の日」の二つのイベントがありますね。ひな祭りの起源は、草や木でつくった人形(ひとがた)を厄払いの意味で川や海に流した風習と言われ、江戸時代あたりから現在のような雛人形を飾り女の子の節句として定着したようです。一方、春分の日は太陽が地球の赤道上に位置し、昼と夜の時間がほぼ同じとなる日。この日を境に夏至までの間、昼の時間が長くなって行くので太陽光が降り注ぐ時間が長くなり続け、暖かさが増してゆくことになり、植物は芽吹き、まさに覚醒、目覚めの時期と言えます。今回は、春突入の季節に意識したいスキンケアについてお伝えします。 桜の開花は春到来のサイン   ウェザーニュース社による2022年の桜の開花予想(2月16日現在)によれば、なんと東京がトップで3月19日、関東以北ほど平年より早いと見込まれています。学校の入学式(4月初旬)の頃に桜を背景に記念写真を撮影するイメージが強いですが、年々桜の開花時期が早まっている印象です。桜を含め、春に開花する植物は、秋から冬にかけての気温の状況、そして開花直前の気温推移に応じて、春の到来を告げるかのように開花します。 お住いの地域によって気候状況も異なり、季節の移り変わりのタイミングも違うものとなります。桜の開花をサインとして、開花前は保湿重視の冬仕様のスキンケア、開花後はお肌ストレスとなる花粉、PM2.5 、紫外線などの太陽光ケア対策を意識したスキンケアへシフトするタイミングとして捉えましょう。 春分の日は本格的な太陽光ケア開始のサイン 2022年、今年の春分の日は21日で、春分とは太陽が真東から昇り真西に沈む日となり、昼と夜の時間がほぼ等しい日となります。この日は時差の関係で1日ずれる国もありますが世界共通で、うるう年があるように数年に1度、1日程度ずれることがあります。この時期は冬眠をしていた生物が動き初め、人の生活にも新しい希望と活力がもたらされる時であることから、古人はこの日を「自然に感謝し春を祝福する日」としていました。 また、皇室では、春季皇霊祭として祖先の神霊を祀る大祭が行われる日であり、この大祭にちなんで春分の日の前後7日間を彼岸として先祖を供養する風習となっています。秋分の日も同じで、皇室では秋季皇霊祭の大祭が行われ、秋の彼岸の風習となっており、春分の日、秋分の日はともに祝日です。一方、夏至・冬至には皇室行事が無く、祝日となっておりません。 スキンケアの視点では、春分の日を境に、太陽光が降り注ぐ時間が1日12時間を超え、夏至に向けてその時間が長くなり続けます。気候変化に関係なく、この期間と時間は不変ですので、本格的な太陽光対策を意識するタイミング、サインとなります。 免疫力を意識した睡眠と食事 前月の『冬の終わり、春目前のスキンケア』で触れた免疫力を意識した美容ライフの4項目の内「良質な睡眠」「バランスの良い食事」の2項目について具体的な取り組みのヒントをお伝えします。 <良質な睡眠>睡眠は、食事、運動、飲酒、喫煙などの生活習慣と同様に人間の健康と深く関係しています。脳や心身の休息のために欠かせない睡眠。良質な睡眠習慣のために意識したい取り組みについてお伝えします。●入浴でしっかり心身を癒す。好みの香りの入浴剤も効果的です。●就寝直前までのTV、スマホ、読書を控える。●就寝直前までの飲酒、喫煙を控える。●日付が変わる前にベッドに入り、就寝・起床時刻を一定に保つ。●朝日が入りやすい寝室で目覚める環境をつくる。 <バランスの良い食事>免疫力を高めるためには、腸の環境を改善し、その働きを活発にすることが大切です。免疫力を高める効果が、特に高い食材をご紹介します。 1.腸内環境を整える食物繊維、豊かな食材&発酵食品大麦、玉ねぎ、大根、ごぼう、にんにく、らっきょう、エシャロットなどの野菜類、キウイフルーツ、パパイヤなどの果物類、わかめ、こんぶなどの海藻類、チーズ、ヨーグルト、漬物、納豆などの発酵食品2.体を温める食材根菜類、赤や黒などの暖色の野菜や果物、発酵茶(紅茶、中国茶、ほうじ茶)、生姜、にんにく、赤ワイン、全粒粉パン、玄米など3.抗酸化食材「β-カロテン」が豊富なトマトやホウレンソウ・ピーマン・ブロッコリーなどの緑黄色野菜、「ビタミンC」を多く含むパプリカ・ブロッコリー・じゃがいも・キウイフルーツ・柑橘類・イチゴ・柿など、「ビタミンE」を多く含む種実類(ごま・アーモンド・ピーナッツなど)やかぼちゃ・アボカド・うなぎなど 規則正しく、栄養バランスの良い食事をとることで、腸が活発に動き出します。さらに、ヨーグルトなどの発酵食品の他にも、食物繊維、オリゴ糖などの栄養素は、腸内細菌叢を改善して、免疫力を高めてくれますので、積極的に摂取するようにしましょう。 春突入の季節に意識したいスキンケアについてお届けしました。次回は、“環境変化へのスキンケア”についてお伝えしたいと思います。

冬の終わり、春目前のスキンケア

冬の終わり、春目前のスキンケア

2022年の節分は、立春の前日の2月3日。暦の上では春への季節の変わり目ですが、冬本番の厳しさの中に、小さな春が見えてくるというのが実態かと思います。2月11日は建国記念日ですが、古事記や日本書紀に記されている初代天皇神武天皇の即位日(紀元前660年)とされています。古くは紀元節と呼ばれていましたが、明治以降に二転三転しながら、現在の建国記念日が正式に定められたのは1966年なので、比較的新しい祝日とも言えます。日本神話の世界の話なので史実としての真偽は定かではありませんが、日本の成り立ちを神話でつづった古事記や日本書紀に思いを馳せてみるのも良いかもしれません。今回は、春目前のスキンケアのヒントについてお伝えします。 2月、冬から春へ向かう「揺らぎ」の時期 昨年、2021年2月の東京の気象データを振り返ると、冬から春へ向かう気候の揺らぎの時期であることが分かります。   ①寒暖差1か月を通して、1日の寒暖差は10℃に及び、寒暖差ストレスが大きな時期です。寒暖差ストレスは、血行不良、代謝不良を引き起こしやすく、健康面だけでなく、美容面でもお肌の不調やトラブルの原因となります。 ②乾燥注意報発令の時期気象庁が発令する乾燥注意報は、火災の危険を知らせる防災上の目的で、最低湿度と木材の乾燥度(実効湿度)を基に地域毎に基準を設けた複雑なものですが、美容面での目安として最低湿度35%以下を「お肌の乾燥注意報」として捉えましょう。お住いの地域の最低湿度に着目し、35%以下となったら、保湿ケアの頻度を高めたり、重ね塗りなどを意識することが大切です。 ③太陽光照射は春並みの水準昨年の2月は、中旬の大雨を除くと晴天の日が多く、日照時間も春並みの日々が続いたことがわかります。つまり、紫外線・近赤外線など太陽光ストレス量が増大するのは2月からと言えます。本格的な太陽光ケアに取り組みましょう。 ④花粉の飛散開始2022年のスギ花粉飛散は2月上旬からスタートし、3月にピークを迎えると予想されています。その後、ほぼ1か月遅れでヒノキ花粉の飛散が始まります。飛散量は西日本で昨年よりやや少なく、東海より北では昨年より多いとの予想となっています。花粉症の方にとっては嫌な季節の到来ですが、花粉自体がお肌にとっては外的なストレスですので、花粉症の人も、そうでない人も、美容の面での花粉症対策が求められます。帰宅時には髪の毛・衣服から花粉を払い落とし、すぐにクレンジング・洗顔を行い、自宅に花粉を持ち込まないことを心がけましょう。 免疫力を意識した美容ライフ 2月から始まる春に向けてのお肌の環境のさまざまな揺らぎ。そのような揺らぎに負けない免疫力を意識した美容ライフについてお伝えします。 免疫とは、病原菌やウイルスなどカラダに侵入する異物や外敵からカラダを守る機能のことで、汚染物質、ほこり、老廃物などへの対応も免疫によるものとなります。免疫の種類としては、「自然免疫」と「獲得免疫」の2種類があります。「自然免疫」は生まれながらにして持っている、病原菌やウイルスに対する防護・攻撃機能です。加齢とともにその機能は低下し、また、さまざまな外的・内的ストレスによっても自然免疫力は低下してしまいます。 <免疫力を低下させない・UPさせる美容ライフ>◆良質な睡眠休息・ストレス解消とともに、成長ホルモン分泌の時間でもあり、細胞代謝に欠かせない大切な時間です。睡眠不足は免疫力低下に直結するので、良質な睡眠習慣を作り上げましょう。 ◆運動習慣運動不足による代謝の低下・衰えは肥満や生活習慣病の要因となったり、免疫力の低下につながりますので運動習慣が大切です。ただ、過度な運動は逆にストレスとなるので、習慣化を意識した続けられる運動を日常生活に取り入れましょう。 ◆バランスの良い食事3つのキーワード「腸内環境」「カラダを温める」「抗酸化」を意識した食生活に取り組みましょう。具体的な食材としては、食物繊維、発酵食品、カラダを温める食材、抗酸化食材が、これらのキーワードを充たしてくれます。 ◆ストレス回避と解消紫外線などの太陽光、花粉、ほこりなどの外的ストレス、精神的な内的ストレスも免疫力低下の要因となります。外的ストレスに対してはそれらを軽減する対処法がありますが、精神的な内的ストレスを回避・軽減する工夫が大切です。 大切なことは習慣化です。4つの大切な項目を理解し、少しづつでも無理なく習慣化することで、病原菌・ウイルスや外部からの様々な異物ストレスや、内的なストレスに負けない体質を手に入れましょう。化粧品は潤いや美容成分でお肌自体の免疫とも言える角質や皮脂膜の機能を補い、サプリメントは食生活からの不足分を補うことで免疫力につながる美容ライフを支えます。 春目前のスキンケアのヒントについてお届けしました。次回は、“春突入、お肌の覚醒!”についてお伝えしたいと思います。

2022年のスキンケアカレンダー

2022年のスキンケアカレンダー

2022年、今年の干支は「寅」ですが、干支は十二支(12種類)と十干(5種類)の組み合わせで計60通りであることはあまり知られていません。今年の干支「寅」はこの60通りの中で「壬寅(みずのえとら)」にあたり、”厳しい冬を乗り越えて、芽が吹き始め、新たな成長の始まりの年“となるそうです。新型コロナウイルスの発生から2年を経過しようとしていますが、まさに、この苦難を乗り越えてアフターコロナの生活が世界規模でスタートする一年になることを暗示しているのかもしれません。今回は、1年のスキンケアプランを組み立てるための情報やアイデアをお伝えします。 2022年のスキンケアカレンダー 2022年のスキンケアカレンダーは肌質別の観点から整理してみました。マスク生活が続くことで、マスクの中は高湿度、高温度の状態が続きお肌内部からの水分蒸発が増加、バリア機能が低下してしまい、外からの刺激に弱くなっています。この点もスキンケアカレンダーに盛り込んでみました。あなた自身のお肌のタイプや季節に応じたスキンケアに取り組みましょう! 肌質に応じたスキンケア 普通肌、乾燥肌、脂性肌、混合肌と、4つの肌質分類が広く知られています。肌質は季節やライフスタイルに応じて変化するものなので、今のお肌の状態をしっかりと分析・理解し、スキンケアを含む美容ライフ全般を状況に応じて変化させていくことが大切です。 ① 普通肌(ノーマル)皮脂が少なめで水分が多く、キメが細かく、ツヤもあり、角質代謝も健やかでバリア機能が正常に働き、素肌力の強い健康な状態。しかし、冬は乾燥肌へ、夏は脂性肌に傾きやすいので健康なお肌の状態でも油断大敵です。季節に応じたスキンケアが求められます。② 乾燥肌(ドライ)皮脂・水分ともに少なく、カサついて荒れやすい肌質。バリア機能も十分に保たれておらず、お肌トラブルになりやすい状態。保湿と保水機能の両方を併せ持つ製品を日常のスキンケアステップに取り入れましょう。③ 脂性肌(オイリー)皮脂が水分に比べて多く、毛穴が目立ちやすく、ニキビ・吹き出物ができやすい状態。メイク・皮脂汚れを毛穴の奥からしっかり洗い流す丁寧なクレンジング・洗顔を心がけましょう。また、油分の多い食事を控えるなど食生活の見直しも必要です。④ 混合肌(ドライ&オイリー コンビネーション)皮脂が多い部分と、水分が少ない部分があり、顔の部位により状態が異なるタイプ。顔の中心が脂性肌に傾き、外側が乾燥肌に傾いているケースが多い。クレンジング・洗顔を丁寧に行い、保湿・保水機能を併せ持つ化粧水をたっぷり使い、お肌の水分量の改善に努力しましょう。 今年1年のスキンケアプランを組み立てるための情報やアイデアをお届けしました。次回は、“冬の終わり、春目前のスキンケア”のヒントをお伝えしたいと思います。

2021年の締めくくりに、お肌状態の振り返り

2021年の締めくくりに、お肌状態の振り返り

1年の締めくくりの12月。年間を通じてwithコロナの生活を送ることとなった2021年でした。大晦日31日に向けて、22日には1年で最も日が短い冬至、25日のクリスマス、そして仕事納めへと気忙しい日々が続きます。一旦落ち着きを見せている日本のコロナ感染状況が年末年始にかけても第6波を迎えることなく低水準で続くことを祈りつつ、2021年をしっかりと締めくくりたいものです。 今回は1年間のお肌状態を振り返りたいと思います。 冬突入の12月、スキンケア・キーワードは「乾燥」そして「新陳代謝の低下」 12月ならではのお肌の環境を理解し、乾燥と代謝低下対策としてのスキンケアが求められる時期です。 外的乾燥環境12月は、1月~2月の乾燥のピークに向けて、湿度は低下し続け、室内でも暖房による乾燥に拍車がかかり、屋外、室内ともに外的な乾燥環境はピークへ向かい続けます。 内的乾燥環境お肌自体の水分蒸散量は増加し続け、お肌から水分が失われるだけでなく、お肌の水分の蒸散を防ぐバリア機能を発揮する皮脂量も冬の間は減少し続けるので、お肌の内側からも乾燥が進みます。 新陳代謝の低下ヒトも植物や動物と同じで、冬は蓄えの季節。細胞は代謝による生まれ変わりよりも休息を選び、新陳代謝が低下しがちとなります。また、寒さにより血流も低下しがちで、血液の流れでカラダの隅々まで栄養を届けることも衰えがちとなります。 お肌はなぜ乾燥するのか? 乾燥の季節の本番に突入した12月だからこそ理解しておきたいドライスキン(乾燥肌)についてお伝えしたいと思います。乾燥肌の要因は一つではありません。外的要因、内的要因が複雑にからみあってお肌は乾燥し、さまざまなお肌トラブルの出発点になります。 1)外的要因大気自体の乾燥、室内の乾燥、紫外線、過度な洗浄などがあげられます。12月は大気も年間で最も乾燥するだけでなく、室内も暖房により乾燥に拍車がかかります。季節的には日照時間は短いので太陽光照射量は低めとはいえ、紫外線は降り注いでいるので紫外線によるお肌の乾燥も生じます。さらに、過剰なクレンジング・洗顔は皮脂までも洗い流してしまうので、水分の蒸散を防ぐバリア機能を発揮してくれる皮脂能力を低下させることに繋がります。 2) 内的要因加齢および炎症にともなうものが代表例となります。加齢によるものは、加齢とともに角質水分量が低下し、また、天然保湿因子(NMF)を構成するアミノ酸の生成量も低下します。つまり、これら内的要因により内側からの乾燥が生じることとなります。四肢は加齢によるお肌の乾燥が進みがちで、これは老人性乾皮症と呼ばれます。顔についても同様の状態は起きていると考えて差し支えありません。お肌が炎症を起こしている場合には、炎症箇所では角質水分量とアミノ酸量が低下しており、加齢の場合と同様にお肌の乾燥が生じることとなります。 ドライスキン(乾燥肌)対策として、保湿化粧品の力のみならず、次のようなライフタイルの実践がオススメです。◆ 過度なクレンジング・洗顔を避け、優しく洗いあげる◆ 手の届かない背中などには入浴剤がオススメ◆ 余計な刺激をお肌に与えない◆ 室内では、暖房をつける際には加湿器を使用する◆ 屋外でも室内でも万全な寒さ対策をし、血行不良による代謝の低下を防ぐ 2021年、お肌状態の振り返り   今現在のあなたのお肌の状態はいかがですか?一年を過ごしたお肌の疲れが、いろいろな症状となって現われていませんか? 年齢を問わず、お肌の大敵である「乾燥」によるお肌の不調、年齢によるお肌のゆらぎ、新陳代謝の低下(=ターンオーバーの乱れ)によるお肌のトラブル、それらの原因が複雑に絡み合いながら現われる時期です。くすみが気になるあなたは、夏の紫外線疲れかもしれません、潤いをしっかり与え、健やかなターンオーバー促すスキンケアを意識しましょう。乾燥、肌荒れが気になるあなたは、優しいクレンジング・洗顔に心がけましょう! 1年間のお肌状態の振り返りについてお届けしました。次回は、“2022年のスキンケアカレンダー”についてお伝えしたいと思います。

冬目前のスキンケア!

冬目前のスキンケア!

11月、旧暦では「霜月(シモツキ)」と呼ばれ、11月7日は「立冬」、文字通り霜が降りる季節を迎え冬目前となります。また、イベント月でもあり、11月15日は七五三、11月18日はボジョレー・ヌーボー解禁日です。ちなみに、ボジョレー・ヌーボーはフランスより日本に事前に空輸され、日本が世界で最も早くボジョレー・ヌーボーを楽しめるということで世界でも類を見ないイベントと化しています。ボジョレー・ヌーボー出荷量の4分の1が日本向けだそうです。 新型コロナウイルス感染状況も落ち着きをみせ、飲食店のお酒提供や時短営業などの自粛要請も徐々に解除され、コロナ前の日常に緩やかに戻りつつある印象です。第6波に襲われることのないよう、感染防止対策を続けながら、11月のイベントを楽しみたいものです。 今回は11月の美容ライフのヒントをお届けします。 紅葉前線から見る11月のお肌の環境   昨年の東京では、11月28日に紅葉が色付き始めました。直前に暖かい日が続き、紅葉が若干遅れました。紅葉の時期は、気象・気候に大きく左右されます。気温が低いと色付く時期は早まり、逆に気温が高いと時期は遅れます。気温が低くなり継続し、色付きが始まるタイミングが、まさに「冬」の始まりでもあるので、皆さんのお住いの地域での色付き始めに注目してください。それぞれの地域での自然が唱える冬の始まりを認識し、スキンケアを冬仕様へシフトしましょう。 冬仕様のスキンケア、キーワードは「保湿強化」 気温低下とともに大気も乾燥、お肌自体の水分蒸発量も上昇し続ける11月。紅葉が始まる前から「保湿強化」に取り組み、冬仕様のスキンケアを開始してください。 1.お肌への潤い補給美肌の源ともいえるコラーゲン生成にも水分は不可欠な原料。水分補給力に着目した化粧品選びが大切です。 2.角質層内のNMF(天然保湿因子)を保つお肌の生まれ変わり(ターンオーバー) の過程で、カラダの中で作られるNMF(ナチュラル・モイスチュアライジング・ファクター)が大気の水分を吸湿し、カラダの中で保つ役割を任っています。乾燥の季節の始まりには、化粧品による水分補給がNMFにしっかり水分を吸湿させることに役立ちます。 3.皮脂膜の機能低下を補う表皮の最も外側にある皮脂膜は分泌された皮脂がクリーム状になったもの。角質層内の水分の蒸発を防ぎ、外からの様々なストレスからお肌を守ります。この季節、皮脂分泌は減り続けるので、皮脂膜の機能低下を補う保湿クリームが欠かせません。 ポリフェノールの期待効果 11月18日(木)ボジョレー・ヌーボー解禁日にちなみ、赤ワインに多く含まれる「ポリフェノール」についてお伝えします。   ポリフェノールは、古くから食品や化粧品に香料や色素として使用されてきました。ここ数十年で、ポリフェノール類の抗酸化作用についての研究報告が発表されるに至り、「ポリフェノール=抗酸化=老化防止」との概念が定着してきています。他にもがん予防作用、動脈硬化抑制作用など、その作用についての研究報告も多くみられます。 赤ワインの他、コーヒーにもポリフェノールが豊富に含まれており、日本食品標準成分表によれば1杯当たりのポリフェノール量ではコーヒーの方が赤ワインより多いとの報告がされています。ポリフェノールを含む成分が配合された化粧品の使用と、赤ワインやコーヒーをたしなむ習慣は美容にとってもオススメということになります。ただし、赤ワインにしろ、コーヒーにしろ、飲み過ぎは別の弊害を引き起こす可能性もあるので、節度をもって楽しみましょう! 11月の美容ライフへのヒントをお伝えしました。次回テーマは“ご褒美ケアで締めくくる”です。