アクシージア ビューティー・アドバイス

環境がゆらぐ4月の美容ライフ

環境がゆらぐ4月の美容ライフ

4月…。結局、今年の桜の開花は、開花予想より遅れ、満開を迎えるのは4月以降となる地域が殆どの見込みです。先月、3月は「お別れ」のイメージが強い日本であることをお伝えしましたが、4月は逆に「変化と出会い」の季節と言えるでしょう。学生の方であれば新入学や新学期、社会人であれば新入社、異動先・引越先での新生活のスタート、日本の行政および、3月決算が多い日本の企業では新年度の開始と、環境が一変する4月です。これら新たな環境の変化は、美容面にも健康面にも影響を与える「ゆらぎ」と言え、その「ゆらぎ」を意識した過ごし方が求められます。今回は4月特有の環境変化に、内的なストレスを意識した美容ライフについてお届けしたいと思います。 4月特有の環境のゆらぎが引き起こす「ストレス」 1.外的ストレス気象・気候による寒暖差、太陽光(紫外線、近赤外線)に加えて、花粉、黄砂、PM2.5、大気汚染などの飛散物質も肌に大きなストレスをもたらします。乾燥の冬を過ごした肌は、これらストレスに敏感に(時には過剰に)反応し、悲鳴を発するかのように肌不調を引き起こします。3月~4月がピークとなる花粉、4月~5月がピークとなる黄砂は、4月にはW(ダブル)で襲うので、とりわけ4月特有の外的ストレス要因と言えます。 寒暖差ストレスは、寒暖差アレルギーや寒暖差疲労の原因となり、健康面での弊害に繋がり、肌不調の要因ともなります。春本番とは言え、4月の前半は、冬の冷気と夏の暖気が南北に揺れ動き、朝晩と日中激しい寒暖差が生じやすい状況が続きます。寒暖差を凌ぐ服装の工夫を心がけましょう。 太陽光ストレスは、太陽光照射時間の長さがピークを迎える6月の夏至も目前なので、日々、日中の明るい時間が長くなることを実感できるように、4月の太陽光ストレスは最高水準に向かっています。この太陽光ストレスも冬を過ごし敏感かつ抵抗力の衰えた肌を襲います。とりわけ光老化の進行が進みやすい時期とも言えます。真夏の焼けるような日差しとは異なり油断しがちな4月ですが、日傘・サングラス・UVカット素材の羽織物を上手に活用して、太陽光ストレスからの防御を意識しましょう。 花粉、黄砂、PM2.5などの飛散物質ストレスは、アレルギー症状を発症する方は、薬によりアレルギー症状を抑える必要があります。外出から帰宅した際に、玄関の前で衣類に付着している飛散物質を払い落とし、室内に持ち込まないことなどの努力も有効です。   2. 内的ストレス学校や職場での新たな人間関係や、社会人では、異動先や担当変更などでの新たな業務、通学・通勤などの経路や時間の変化、結果としての食事時間の変化など、様々な変化が重なって内的ストレスとして蓄積しやすいのも4月です。この内的ストレスが制御出来なくなると様々な症状を発症し、健康を害することはもちろんのこと、結果として肌不調も助長してしまいます。 内的ストレスの要因は、一言で言えば「生活リズムの大きな変化」です。日本の4月は年間の中で最も大きな環境変化に向き合う方々が多く、リズムの変化がストレスとなり蓄積し、リズムの変化に慣れる前に様々な症状を引き起こすことに繋がります。5月病も、まさにこの一例と言えます。このようなストレスを自覚し、意識してストレスの軽減や解消に努めるためにも、変化を新しいリズムとして規則正しく定着させることが重要です。 4月と自律神経 前述の通り、日本の4月は年間の中で最も大きな環境変化に向き合う方々が多く、リズムの変化がストレスとなり蓄積し、リズムの変化に慣れる前に様々な症状を引き起こすことに繋がります。このようなときに、何となく体がだるい、疲れやすいといった症状を感じることもあると思います。この症状は、自律神経のバランスが崩れていることが原因かもしれません。今回は、自律神経の働きと、自律神経のバランスを整えるための生活習慣についてお伝えします。 自律神経とは?自律神経とは、内臓、血管、分泌腺の働きにかかわり体内環境を整えている神経で、自らの意思とは関係なく、365日、24時間働き続けています。「交感神経」と「副交感神経」の2種類があり、自然とバランスを取りながら生命活動を維持してくれています。交感神経は、心身を活動に導く神経で、車でいえばアクセルにあたり、起床後、日中の活動期を支えてくれています。まさに心身をONの状態に導く司令塔です。一方、副交感神経は、心身を休息・リラックスに導く神経で、車でいえばブレーキにあたり、OFFの状態に導く司令塔と言えます。この「交換神経」と「副交感神経」のバランスが乱れると無意識のうちに調整・コントロールしてくれていた機能が働かなくなり、様々な不調を引き起こすこととなります。結果、健康を害すること=肌の不調に直結してしまいます。   自律神経のバランスとパワー自律神経は、朝の起床時から学校生活や職場生活を送っている日中は交感神経が優位に働き、帰宅後や休日の休息や睡眠に向かう時間帯は副交感神経が優位に働きます。このように自然とリズム良くバランスをとりながら働いてくれており、リズムとバランスの維持が大切です。また、自律神経にはパワーの差があることも分かっています。全身くまなく巡っている自律神経は体格差によりパワーの差があります。一般的に体格の大きな男性は末端まで自律神経を届かせ働かせるために女性に比べて自律神経のパワーが高く、また、性別を問わず年齢を重ねるについて、パワーが低下すると言われています。体格や年齢に応じた自律神経の正常な働きについて意識した生活を心がけることも必要です。 自律神経を維持するということ「内的ストレス」に対して、自律神経のバランスを保ち、正常な働きを維持するライフスタイルの工夫を心がけてください。<朝、目覚めたときのONへ切り替えの工夫>●日光を浴びる。●一杯の水を飲む。●朝食を摂る。副交感神経から交感神経への切り替え、心身の覚醒を促してあげましょう。 <交感神経優位のONの時間の工夫>●勉強や仕事を根を詰めて続けず、こまめに休憩をとる。●心が落ち着く飲料などをこまめに摂取する。●動悸、めまい、息切れなど、体の異変を感じたら、早めに休息をとり回復してから作業を再開する。また、回復の兆しが無いときは、速やかに医師の診断を仰ぐ。 <副交感神経優位のOFFの時間の工夫>●帰宅したらリラックスできる音楽を聴く。●ぬるめのお湯でゆったり入浴する。●入浴後の保湿ジェルでのフェイシャルケアとボディーローションでのボディーケアなど癒しの時間を楽しむ。● 就寝直前までTV・スマホを見ない。交感神経から副交感神経への切り替え、心身のリラックスを促し、良質な睡眠へ繋げることが重要です。 <休日の過ごし方>●適度な運動を通じての発汗習慣を取り入れる。●平日に乱れた食生活を送ったと感ずる場合には意識してバランスの良い食事摂取を心がける。 以上、自律神経の正常な働きを維持するための生活の工夫が、内的ストレスへの抵抗力を高め、免疫力を保つことにもつながります。 4月特有の環境変化に、内的なストレスを意識した美容ライフについてお伝えしました!さて次回のテーマは“ベストシーズン5月のスキンケア”をお伝えします。

環境がゆらぐ4月の美容ライフ

4月…。結局、今年の桜の開花は、開花予想より遅れ、満開を迎えるのは4月以降となる地域が殆どの見込みです。先月、3月は「お別れ」のイメージが強い日本であることをお伝えしましたが、4月は逆に「変化と出会い」の季節と言えるでしょう。学生の方であれば新入学や新学期、社会人であれば新入社、異動先・引越先での新生活のスタート、日本の行政および、3月決算が多い日本の企業では新年度の開始と、環境が一変する4月です。これら新たな環境の変化は、美容面にも健康面にも影響を与える「ゆらぎ」と言え、その「ゆらぎ」を意識した過ごし方が求められます。今回は4月特有の環境変化に、内的なストレスを意識した美容ライフについてお届けしたいと思います。 4月特有の環境のゆらぎが引き起こす「ストレス」 1.外的ストレス気象・気候による寒暖差、太陽光(紫外線、近赤外線)に加えて、花粉、黄砂、PM2.5、大気汚染などの飛散物質も肌に大きなストレスをもたらします。乾燥の冬を過ごした肌は、これらストレスに敏感に(時には過剰に)反応し、悲鳴を発するかのように肌不調を引き起こします。3月~4月がピークとなる花粉、4月~5月がピークとなる黄砂は、4月にはW(ダブル)で襲うので、とりわけ4月特有の外的ストレス要因と言えます。 寒暖差ストレスは、寒暖差アレルギーや寒暖差疲労の原因となり、健康面での弊害に繋がり、肌不調の要因ともなります。春本番とは言え、4月の前半は、冬の冷気と夏の暖気が南北に揺れ動き、朝晩と日中激しい寒暖差が生じやすい状況が続きます。寒暖差を凌ぐ服装の工夫を心がけましょう。 太陽光ストレスは、太陽光照射時間の長さがピークを迎える6月の夏至も目前なので、日々、日中の明るい時間が長くなることを実感できるように、4月の太陽光ストレスは最高水準に向かっています。この太陽光ストレスも冬を過ごし敏感かつ抵抗力の衰えた肌を襲います。とりわけ光老化の進行が進みやすい時期とも言えます。真夏の焼けるような日差しとは異なり油断しがちな4月ですが、日傘・サングラス・UVカット素材の羽織物を上手に活用して、太陽光ストレスからの防御を意識しましょう。 花粉、黄砂、PM2.5などの飛散物質ストレスは、アレルギー症状を発症する方は、薬によりアレルギー症状を抑える必要があります。外出から帰宅した際に、玄関の前で衣類に付着している飛散物質を払い落とし、室内に持ち込まないことなどの努力も有効です。   2. 内的ストレス学校や職場での新たな人間関係や、社会人では、異動先や担当変更などでの新たな業務、通学・通勤などの経路や時間の変化、結果としての食事時間の変化など、様々な変化が重なって内的ストレスとして蓄積しやすいのも4月です。この内的ストレスが制御出来なくなると様々な症状を発症し、健康を害することはもちろんのこと、結果として肌不調も助長してしまいます。 内的ストレスの要因は、一言で言えば「生活リズムの大きな変化」です。日本の4月は年間の中で最も大きな環境変化に向き合う方々が多く、リズムの変化がストレスとなり蓄積し、リズムの変化に慣れる前に様々な症状を引き起こすことに繋がります。5月病も、まさにこの一例と言えます。このようなストレスを自覚し、意識してストレスの軽減や解消に努めるためにも、変化を新しいリズムとして規則正しく定着させることが重要です。 4月と自律神経 前述の通り、日本の4月は年間の中で最も大きな環境変化に向き合う方々が多く、リズムの変化がストレスとなり蓄積し、リズムの変化に慣れる前に様々な症状を引き起こすことに繋がります。このようなときに、何となく体がだるい、疲れやすいといった症状を感じることもあると思います。この症状は、自律神経のバランスが崩れていることが原因かもしれません。今回は、自律神経の働きと、自律神経のバランスを整えるための生活習慣についてお伝えします。 自律神経とは?自律神経とは、内臓、血管、分泌腺の働きにかかわり体内環境を整えている神経で、自らの意思とは関係なく、365日、24時間働き続けています。「交感神経」と「副交感神経」の2種類があり、自然とバランスを取りながら生命活動を維持してくれています。交感神経は、心身を活動に導く神経で、車でいえばアクセルにあたり、起床後、日中の活動期を支えてくれています。まさに心身をONの状態に導く司令塔です。一方、副交感神経は、心身を休息・リラックスに導く神経で、車でいえばブレーキにあたり、OFFの状態に導く司令塔と言えます。この「交換神経」と「副交感神経」のバランスが乱れると無意識のうちに調整・コントロールしてくれていた機能が働かなくなり、様々な不調を引き起こすこととなります。結果、健康を害すること=肌の不調に直結してしまいます。   自律神経のバランスとパワー自律神経は、朝の起床時から学校生活や職場生活を送っている日中は交感神経が優位に働き、帰宅後や休日の休息や睡眠に向かう時間帯は副交感神経が優位に働きます。このように自然とリズム良くバランスをとりながら働いてくれており、リズムとバランスの維持が大切です。また、自律神経にはパワーの差があることも分かっています。全身くまなく巡っている自律神経は体格差によりパワーの差があります。一般的に体格の大きな男性は末端まで自律神経を届かせ働かせるために女性に比べて自律神経のパワーが高く、また、性別を問わず年齢を重ねるについて、パワーが低下すると言われています。体格や年齢に応じた自律神経の正常な働きについて意識した生活を心がけることも必要です。 自律神経を維持するということ「内的ストレス」に対して、自律神経のバランスを保ち、正常な働きを維持するライフスタイルの工夫を心がけてください。<朝、目覚めたときのONへ切り替えの工夫>●日光を浴びる。●一杯の水を飲む。●朝食を摂る。副交感神経から交感神経への切り替え、心身の覚醒を促してあげましょう。 <交感神経優位のONの時間の工夫>●勉強や仕事を根を詰めて続けず、こまめに休憩をとる。●心が落ち着く飲料などをこまめに摂取する。●動悸、めまい、息切れなど、体の異変を感じたら、早めに休息をとり回復してから作業を再開する。また、回復の兆しが無いときは、速やかに医師の診断を仰ぐ。 <副交感神経優位のOFFの時間の工夫>●帰宅したらリラックスできる音楽を聴く。●ぬるめのお湯でゆったり入浴する。●入浴後の保湿ジェルでのフェイシャルケアとボディーローションでのボディーケアなど癒しの時間を楽しむ。● 就寝直前までTV・スマホを見ない。交感神経から副交感神経への切り替え、心身のリラックスを促し、良質な睡眠へ繋げることが重要です。 <休日の過ごし方>●適度な運動を通じての発汗習慣を取り入れる。●平日に乱れた食生活を送ったと感ずる場合には意識してバランスの良い食事摂取を心がける。 以上、自律神経の正常な働きを維持するための生活の工夫が、内的ストレスへの抵抗力を高め、免疫力を保つことにもつながります。 4月特有の環境変化に、内的なストレスを意識した美容ライフについてお伝えしました!さて次回のテーマは“ベストシーズン5月のスキンケア”をお伝えします。

春に意識したいスキンケア

春に意識したいスキンケア

日本の3月は、行政上の年度末であり、3月決算の企業も多く企業としても年度末、学校関連でも卒業式・学年末と締めくくりと別れのイメージが強い月です。一方、先月2月は寒暖差の激しさに加え、降雨量も例年に比べて多く、気象上も異例な大きな季節の揺らぎを感じる月でした。冬の過酷な乾燥時期に加え大きく揺らいだ2月を過ごした肌は、抵抗力も衰え、様々な外的ストレスに敏感に反応しやすい状態にあると言えます。この状態を踏まえた春のスキンケアが求められます。今回は春突入の季節に、バリア機能を意識したスキンケアについてお届けしたいと思います。 桜の開花が春到来を告げる   ウェザーニュース社による最新の桜開花予想によれば、3月18日の東京を皮切りに全国的に昨年よりも早い開花が見込まれています。いかなる天気予報よりも桜をはじめとする植物の方が、季節を正確に伝えてくれると言えるのではないでしょうか?お住いの地域により桜の開花時期は異なりますが、開花=春の到来と捉えてください。 先月号よりお伝えしている「美容リズム」のうち「季節のリズム」で触れた通り、桜の開花により「春」が到来しますので、美容のリズムの面では「春」を意識した美容ライフを送ることが求められます。 2024年「春」に取り組むべきスキンケア   まず、肌環境を確認しましょう!昨年、2023年の2月~4月の気象庁による東京の気象データを確認すると、冬の2月を過ぎると、気温・湿度・日照時間・日射量のすべてが毎月上昇し続けることが明らかです。また、3月、4月の寒暖差も2月以上に激しいこともわかります。温暖化の影響なのか、季節は2週間程度早く進んでいる感覚ですので、4月の昨年の気象状態が3月中にも起こりうると捉えておくことが賢明です。キーワードとしては、「激しい寒暖差」&「日照・日射量の増加」の2点となります。 激しい寒暖差へのスキンケア寒暖差は肌にとり大きなストレスとなり、肌代謝が損なわれ、結果として、肌荒れ、ごわつき、シワ、たるみなどに繋がる要因となります。また、春は強風が吹き荒れる日もあり、花粉をはじめ微粒子状の汚染物質が舞いやすく肌を攻撃してきます。花粉症などの微粒子対策を行いながら、保湿ジェルやクリームなどの仕上げによるバリア機能を発揮させることに心がけましょう。 日照・日射量の増加へのスキンケア6月の夏至に向かって日照・日射量は増え続けます。冬を過ごし抵抗力が衰えた肌にとって紫外線は大敵で、特に、曇も窓さえも透過する紫外線A波(UVA)はシワの原因となり、厄介ものであり油断しがちです。紫外線対策としての日焼け止めが必須となりますが、塗布量が足りないひとが多いことが報告されています。たっぷりと塗り、日中は塗り直すことを習慣化することが大切です。 美容リズムの変化に応じたスキンケア 1月号よりお伝えしている美容の5つのリズムについて、今回お伝えする「季節のリズム」「年齢のリズム」「生活のリズム」が最終となります。 季節のリズム春~夏~秋~冬~、四季のある日本では季節に応じたスキンケアへの取り組みが必要です。気温・湿度・日照時間の変化に応じて、肌細胞も、時には防御的な活動をし、結果として肌代謝の乱れや肌トラブルに繋がってしまうことも。気温・湿度・日照時間の変化も肌ストレスの一因ですので、その変化を緩やかなものと肌に感じさせ、変化に適応させてゆくことが求められます。季節に応じたスキンケアテーマを下図に整理しました。ベーシックなスキンケアステップに季節毎のテーマを付け加えましょう。   年齢のリズム年齢とともに肌のターンオーバー周期が長くなることは、残念ながら避けられません。健康なターンオーバーを促しながら、ターンオーバーにより形成された新たな表皮細胞の健やかさを保ち、角質細胞にも正常にバリア機能を果たしてもらうことが重要です。また、3か月ごとに季節の変わる日本では、3か月毎にお肌も季節の影響を受けることとなります。つまり、ターンオーバー周期を意識したスキンケアが、年齢に応じたターンオーバー周期の違いを克服するスキンケアともなります。エイジングケア=中高年のスキンケアと捉えられがちですが、年齢を問わず、年齢に応じたスキンケアと認識してください。   生活のリズム食生活、睡眠、運動などライフスタイル全般に関わるリズムとなります。まずは、規則正しい生活が基盤となります。進学、就職、転職、結婚、転居など生活環境の変化は生活のリズムを一変させます。変化した生活のリズムに慣れるまで一定の期間が必要ですが、新しいリズムを一定に保つことが大切です。 そして、バランスの良い食事、良質な睡眠、適度な運動習慣を意識し、化粧品やサプリメントによる美容ライフを万全で効果的なものにしましょう。 春突入の季節に、バリア機能を意識したスキンケアについてお伝えしました!さて次回のテーマは“環境変化へのスキンケア”をお伝えします。

春に意識したいスキンケア

日本の3月は、行政上の年度末であり、3月決算の企業も多く企業としても年度末、学校関連でも卒業式・学年末と締めくくりと別れのイメージが強い月です。一方、先月2月は寒暖差の激しさに加え、降雨量も例年に比べて多く、気象上も異例な大きな季節の揺らぎを感じる月でした。冬の過酷な乾燥時期に加え大きく揺らいだ2月を過ごした肌は、抵抗力も衰え、様々な外的ストレスに敏感に反応しやすい状態にあると言えます。この状態を踏まえた春のスキンケアが求められます。今回は春突入の季節に、バリア機能を意識したスキンケアについてお届けしたいと思います。 桜の開花が春到来を告げる   ウェザーニュース社による最新の桜開花予想によれば、3月18日の東京を皮切りに全国的に昨年よりも早い開花が見込まれています。いかなる天気予報よりも桜をはじめとする植物の方が、季節を正確に伝えてくれると言えるのではないでしょうか?お住いの地域により桜の開花時期は異なりますが、開花=春の到来と捉えてください。 先月号よりお伝えしている「美容リズム」のうち「季節のリズム」で触れた通り、桜の開花により「春」が到来しますので、美容のリズムの面では「春」を意識した美容ライフを送ることが求められます。 2024年「春」に取り組むべきスキンケア   まず、肌環境を確認しましょう!昨年、2023年の2月~4月の気象庁による東京の気象データを確認すると、冬の2月を過ぎると、気温・湿度・日照時間・日射量のすべてが毎月上昇し続けることが明らかです。また、3月、4月の寒暖差も2月以上に激しいこともわかります。温暖化の影響なのか、季節は2週間程度早く進んでいる感覚ですので、4月の昨年の気象状態が3月中にも起こりうると捉えておくことが賢明です。キーワードとしては、「激しい寒暖差」&「日照・日射量の増加」の2点となります。 激しい寒暖差へのスキンケア寒暖差は肌にとり大きなストレスとなり、肌代謝が損なわれ、結果として、肌荒れ、ごわつき、シワ、たるみなどに繋がる要因となります。また、春は強風が吹き荒れる日もあり、花粉をはじめ微粒子状の汚染物質が舞いやすく肌を攻撃してきます。花粉症などの微粒子対策を行いながら、保湿ジェルやクリームなどの仕上げによるバリア機能を発揮させることに心がけましょう。 日照・日射量の増加へのスキンケア6月の夏至に向かって日照・日射量は増え続けます。冬を過ごし抵抗力が衰えた肌にとって紫外線は大敵で、特に、曇も窓さえも透過する紫外線A波(UVA)はシワの原因となり、厄介ものであり油断しがちです。紫外線対策としての日焼け止めが必須となりますが、塗布量が足りないひとが多いことが報告されています。たっぷりと塗り、日中は塗り直すことを習慣化することが大切です。 美容リズムの変化に応じたスキンケア 1月号よりお伝えしている美容の5つのリズムについて、今回お伝えする「季節のリズム」「年齢のリズム」「生活のリズム」が最終となります。 季節のリズム春~夏~秋~冬~、四季のある日本では季節に応じたスキンケアへの取り組みが必要です。気温・湿度・日照時間の変化に応じて、肌細胞も、時には防御的な活動をし、結果として肌代謝の乱れや肌トラブルに繋がってしまうことも。気温・湿度・日照時間の変化も肌ストレスの一因ですので、その変化を緩やかなものと肌に感じさせ、変化に適応させてゆくことが求められます。季節に応じたスキンケアテーマを下図に整理しました。ベーシックなスキンケアステップに季節毎のテーマを付け加えましょう。   年齢のリズム年齢とともに肌のターンオーバー周期が長くなることは、残念ながら避けられません。健康なターンオーバーを促しながら、ターンオーバーにより形成された新たな表皮細胞の健やかさを保ち、角質細胞にも正常にバリア機能を果たしてもらうことが重要です。また、3か月ごとに季節の変わる日本では、3か月毎にお肌も季節の影響を受けることとなります。つまり、ターンオーバー周期を意識したスキンケアが、年齢に応じたターンオーバー周期の違いを克服するスキンケアともなります。エイジングケア=中高年のスキンケアと捉えられがちですが、年齢を問わず、年齢に応じたスキンケアと認識してください。   生活のリズム食生活、睡眠、運動などライフスタイル全般に関わるリズムとなります。まずは、規則正しい生活が基盤となります。進学、就職、転職、結婚、転居など生活環境の変化は生活のリズムを一変させます。変化した生活のリズムに慣れるまで一定の期間が必要ですが、新しいリズムを一定に保つことが大切です。 そして、バランスの良い食事、良質な睡眠、適度な運動習慣を意識し、化粧品やサプリメントによる美容ライフを万全で効果的なものにしましょう。 春突入の季節に、バリア機能を意識したスキンケアについてお伝えしました!さて次回のテーマは“環境変化へのスキンケア”をお伝えします。

冬と春が交錯する2月、“ゆらぎの季節”のスキンケア

冬と春が交錯する2月、“ゆらぎの季節”のスキンケア

能登半島地震という大災害からスタートすることとなってしまった2024年。犠牲になられた方々に謹んで哀悼の意を表するとともに、被災された皆さまに心よりお見舞い申し上げます。被災地の一日も早い復興をお祈り申し上げます。2月…今年は、3日が節分、4日が立春となります。現在の季節とは1~2か月ズレる感覚ですが、実際は冬本番となります。ただし、今年の2月は顕著な暖冬ですので、春の始まりを感じる日々が多くなるのではないでしょうか?今回は冬から春へ。季節のゆらぎが肌ストレスとなる2月のスキンケアについてお届けしたいと思います。 2024年2月の肌環境の特徴 例年に比べ今年の2月は冬と春が行ったり来たりの肌環境となることが見込まれます。通常の3月の肌環境も意識したスキンケアへの取り組みが求められるでしょう。 美容の5つのリズムとそれぞれのリズムの応じた取り組み 前回お伝えした美容の5つのリズムについて、それぞれのリズムの応じた美容およびスキンケアのポイントついてお伝えします。 1日のリズム ~朝・日中・夜~朝・日中・夜と、一日のリズムに応じて、スキンケアのポイントは変ります。 朝: 睡眠中の皮脂の分泌や汚れの付着を、朝のクレンジング・洗顔で優しく洗い流しましょう。朝のクレンジング・洗顔習慣が1日のスキンケアの始まりです。その後、化粧水~美容液~保湿乳液~日焼け止めのステップで日中を過ごす万全の肌準備をしましょう。 日中:乾いたな?と感じたら、メイクヨレをしない伸びやかなテクスチャーの保湿乳液やジェルで潤いを補い、日焼け止めも塗り足すことをおススメします。日中の肌を守る追加の一手間のスキンケアを意識しましょう。 夜:帰宅後のクレンジング・洗顔~化粧水・美容液~フェイスマスクでのスペシャルケア。また、睡眠美容を意識したジェルマスク~保湿仕上げに至るまで、翌朝の目覚めの時までを意識したスキンケアステップを取り入れましょう。 月のリズム ~女性ホルモンの分泌と美容~排卵後の黄体期は黄体ホルモン(プロゲステロン)の分泌が高まり、むくみやほてりを引き起こしたり、皮脂分泌も増え、ニキビや吹き出物も出やすくなります。紫外線への防御機能も高まるので、メラニンの生成量が増え、くすみ・シミも出来やすくなります。黄体期には、小まめな皮脂対策とUVケアの強化が必要です。 女性ならではの月のリズムは、2つの女性ホルモンが肌状態にも大きな影響を及ぼしています。排卵前の卵胞期には、卵胞ホルモン(エストロゲン)の分泌が高まります。別名「美肌ホルモン」とも呼ばれるエストロゲンは、肌に潤い・ハリを与え、肌状態は安定します。精神的にも活き活きとし、代謝も良く、エストロゲンの美肌パワーに頼って良い時期とも言えます。 面倒がらずに、自分の肌を慈しむ気持ちでスキンケアを継続することが、肌を守り・維持するだけでなく、美肌づくりにつながります。まさに、継続は力なり!です。次回は「季節のリズム」「年齢のリズム」「生活のリズム」に応じた美容およびスキンケアへのアドバイスをお届けします。 冬から春へ。季節のゆらぎが肌ストレスとなる2月のスキンケアについてお伝えしました!さて次回のテーマは“深まる春のスキンケア”をお伝えします。

冬と春が交錯する2月、“ゆらぎの季節”のスキンケア

能登半島地震という大災害からスタートすることとなってしまった2024年。犠牲になられた方々に謹んで哀悼の意を表するとともに、被災された皆さまに心よりお見舞い申し上げます。被災地の一日も早い復興をお祈り申し上げます。2月…今年は、3日が節分、4日が立春となります。現在の季節とは1~2か月ズレる感覚ですが、実際は冬本番となります。ただし、今年の2月は顕著な暖冬ですので、春の始まりを感じる日々が多くなるのではないでしょうか?今回は冬から春へ。季節のゆらぎが肌ストレスとなる2月のスキンケアについてお届けしたいと思います。 2024年2月の肌環境の特徴 例年に比べ今年の2月は冬と春が行ったり来たりの肌環境となることが見込まれます。通常の3月の肌環境も意識したスキンケアへの取り組みが求められるでしょう。 美容の5つのリズムとそれぞれのリズムの応じた取り組み 前回お伝えした美容の5つのリズムについて、それぞれのリズムの応じた美容およびスキンケアのポイントついてお伝えします。 1日のリズム ~朝・日中・夜~朝・日中・夜と、一日のリズムに応じて、スキンケアのポイントは変ります。 朝: 睡眠中の皮脂の分泌や汚れの付着を、朝のクレンジング・洗顔で優しく洗い流しましょう。朝のクレンジング・洗顔習慣が1日のスキンケアの始まりです。その後、化粧水~美容液~保湿乳液~日焼け止めのステップで日中を過ごす万全の肌準備をしましょう。 日中:乾いたな?と感じたら、メイクヨレをしない伸びやかなテクスチャーの保湿乳液やジェルで潤いを補い、日焼け止めも塗り足すことをおススメします。日中の肌を守る追加の一手間のスキンケアを意識しましょう。 夜:帰宅後のクレンジング・洗顔~化粧水・美容液~フェイスマスクでのスペシャルケア。また、睡眠美容を意識したジェルマスク~保湿仕上げに至るまで、翌朝の目覚めの時までを意識したスキンケアステップを取り入れましょう。 月のリズム ~女性ホルモンの分泌と美容~排卵後の黄体期は黄体ホルモン(プロゲステロン)の分泌が高まり、むくみやほてりを引き起こしたり、皮脂分泌も増え、ニキビや吹き出物も出やすくなります。紫外線への防御機能も高まるので、メラニンの生成量が増え、くすみ・シミも出来やすくなります。黄体期には、小まめな皮脂対策とUVケアの強化が必要です。 女性ならではの月のリズムは、2つの女性ホルモンが肌状態にも大きな影響を及ぼしています。排卵前の卵胞期には、卵胞ホルモン(エストロゲン)の分泌が高まります。別名「美肌ホルモン」とも呼ばれるエストロゲンは、肌に潤い・ハリを与え、肌状態は安定します。精神的にも活き活きとし、代謝も良く、エストロゲンの美肌パワーに頼って良い時期とも言えます。 面倒がらずに、自分の肌を慈しむ気持ちでスキンケアを継続することが、肌を守り・維持するだけでなく、美肌づくりにつながります。まさに、継続は力なり!です。次回は「季節のリズム」「年齢のリズム」「生活のリズム」に応じた美容およびスキンケアへのアドバイスをお届けします。 冬から春へ。季節のゆらぎが肌ストレスとなる2月のスキンケアについてお伝えしました!さて次回のテーマは“深まる春のスキンケア”をお伝えします。

2024年のスキンケアカレンダー

2024年のスキンケアカレンダー

2024年、新しい年がスタートしました。今年の干支は隆盛を意味する「辰」です。干支の中では唯一の空想上の生きものである「辰」ですが、古代中国より東洋で広く親しまれた生き物として干支に取り入れられたのでしょう。天高く舞い上がるような隆盛の1年になりますことを祈りたいと思います。 スキンケアカレンダー スキンケアカレンダーですが、季節毎のポイントを理解いただいた上で、月別のテーマを確認してみてください。 美容リズム スキンケアの奥はとても深く、私たちを取り巻く様々なリズムとその変化に応じて最適なスキンケアを選択して行くことが重要です。今回は5つの美容リズムを整理し、お伝えします。 ①1日のリズム朝~昼~夜、24時間の中でリズムを刻み、夜22時から午前2時の間が皮膚細胞分裂のゴールデンタイムとされています。その毎日のリズムは夜明け(朝日=太陽光)とともにリセットされます。朝日を浴びると健康に良いとされるのは、毎日のリズムをきちんとリセットすることが大切であるからです。しっかり毎日をリセットする生活パターンと、細胞分裂のゴールデンタイム前に一日の汚れを落とし、栄養・水分をしっかり与え、保湿するとの準備が欠かせません。また、朝のスキンケアは、活動(=環境変化)前の環境変化からお肌を守る準備とも言えます。 ②月のリズム女性には月経という内分泌ホルモンによる月のリズムが伴います。生理不順などによる肌不調も、 この月のリズムの揺らぎとなり、皮膚細胞代謝の乱れにも繋がります。潮の満ち引きに象徴される月の引力さえも生体に影響を与えていると言われています。皮膚細胞の月のリズムを整えるためには規則正しい継続的なスキンケアが重要です。 ③年齢のリズム年齢とともに肌のターンオーバーサイクルが長くなることは残念ながら避けられません。代謝に影響を及ぼすライフスタイルも年齢とともに変化することでしょう。エイジングケア=中高年のスキンケアと思われがちですが、年齢に応じたスキンケアと捉えるべきです。 ④季節のリズム春~夏~秋~冬~、四季の 変化は気温・湿度・日照時間の変化を伴います。皮膚細胞の正常な代謝にこれらの変化が影響を与えます。細胞は、これらの外的変化に対応・同調しようと代謝のリズムを調整し、肌の状態も結果として変わります。大きな変化をゆるやかなものとして皮膚細胞にとらえさせ、肌状態の変化を最小限に止めるためにも季節に応じたスキンケアが必要となります。 ⑤生活のリズム年齢を問わず、生活のリズムの変化も肌状態に大きな影響をもたらします。仕事の変化、結婚・出産などによる生活の一変など、生活のリズムの変化に応じてスキンケアの有り方を見直す必要があります。 これらのリズムの変化を意識しながら、今のあなたにとって最適なスキンケアを選択することが求められます。次回はそれぞれのリズムの変化に応じた、具体的なスキンケアアドバイスをお伝えします。 年の初めに、今年のスキンケア目標を立ててみませんか?そのための情報やアイデアをお伝えしました!さて次回のテーマは“春目前のスキンケア”をお伝えします。

2024年のスキンケアカレンダー

2024年、新しい年がスタートしました。今年の干支は隆盛を意味する「辰」です。干支の中では唯一の空想上の生きものである「辰」ですが、古代中国より東洋で広く親しまれた生き物として干支に取り入れられたのでしょう。天高く舞い上がるような隆盛の1年になりますことを祈りたいと思います。 スキンケアカレンダー スキンケアカレンダーですが、季節毎のポイントを理解いただいた上で、月別のテーマを確認してみてください。 美容リズム スキンケアの奥はとても深く、私たちを取り巻く様々なリズムとその変化に応じて最適なスキンケアを選択して行くことが重要です。今回は5つの美容リズムを整理し、お伝えします。 ①1日のリズム朝~昼~夜、24時間の中でリズムを刻み、夜22時から午前2時の間が皮膚細胞分裂のゴールデンタイムとされています。その毎日のリズムは夜明け(朝日=太陽光)とともにリセットされます。朝日を浴びると健康に良いとされるのは、毎日のリズムをきちんとリセットすることが大切であるからです。しっかり毎日をリセットする生活パターンと、細胞分裂のゴールデンタイム前に一日の汚れを落とし、栄養・水分をしっかり与え、保湿するとの準備が欠かせません。また、朝のスキンケアは、活動(=環境変化)前の環境変化からお肌を守る準備とも言えます。 ②月のリズム女性には月経という内分泌ホルモンによる月のリズムが伴います。生理不順などによる肌不調も、 この月のリズムの揺らぎとなり、皮膚細胞代謝の乱れにも繋がります。潮の満ち引きに象徴される月の引力さえも生体に影響を与えていると言われています。皮膚細胞の月のリズムを整えるためには規則正しい継続的なスキンケアが重要です。 ③年齢のリズム年齢とともに肌のターンオーバーサイクルが長くなることは残念ながら避けられません。代謝に影響を及ぼすライフスタイルも年齢とともに変化することでしょう。エイジングケア=中高年のスキンケアと思われがちですが、年齢に応じたスキンケアと捉えるべきです。 ④季節のリズム春~夏~秋~冬~、四季の 変化は気温・湿度・日照時間の変化を伴います。皮膚細胞の正常な代謝にこれらの変化が影響を与えます。細胞は、これらの外的変化に対応・同調しようと代謝のリズムを調整し、肌の状態も結果として変わります。大きな変化をゆるやかなものとして皮膚細胞にとらえさせ、肌状態の変化を最小限に止めるためにも季節に応じたスキンケアが必要となります。 ⑤生活のリズム年齢を問わず、生活のリズムの変化も肌状態に大きな影響をもたらします。仕事の変化、結婚・出産などによる生活の一変など、生活のリズムの変化に応じてスキンケアの有り方を見直す必要があります。 これらのリズムの変化を意識しながら、今のあなたにとって最適なスキンケアを選択することが求められます。次回はそれぞれのリズムの変化に応じた、具体的なスキンケアアドバイスをお伝えします。 年の初めに、今年のスキンケア目標を立ててみませんか?そのための情報やアイデアをお伝えしました!さて次回のテーマは“春目前のスキンケア”をお伝えします。

2023年を振り返る

2023年を振り返る

2023年を振り返ると、5月に新型コロナが「5類」へ変更されインフルエンザと同じ扱いとなったことで、世界的にもAfterコロナ・withコロナの新時代に移行することとなりました。旅行先としての日本人気が高まり、来日されるインバウンド客はコロナ前の水準を上回り、観光地では、オーバーツーリズムの問題が発生しているような状況です。一方、8月24日の福島第一原発での処理水の海洋放出を契機に、中国政府による日本の海産物の輸入禁止措置が取られ、海産物のみならず日本製品の中国向け輸出が大きな影響を受けるなど、予期せぬ事態に陥りました。世界に目を向けるとウクライナ戦争は膠着状態で、さらに10月にはパレスチナ・ハマスとイスラエルによる紛争が始まるなど、来年に向けて国際政治・国際経済は不透明な状態が続くであろう1年の締めくくりとなりました。皆さんにとって、2023年はどのような1年であったでしょうか?今回は1年の締めくくりとしての振り返りと12月に意識したいスキンケアについてお届けしたいと思います。 2023年の肌環境を振り返る 2023年11月までの東京の気象データ推移から今年の肌環境を振り返ってみます。特徴的なのは、夏(6月~8月)の気温が過去最高水準となり9月以降10月にかけてその傾向が続いたことです。11月に入っても20℃を超える日が何度もあったりと、まさに「地球温暖化」を感ずる日々でした。季節外れの桜の開花がニュースになったりと、植物も季節を勘違いするような気候でした。一方、最近(11月下旬)では、北日本に猛烈な寒気が入り込み、早々に大量の積雪を記録するなど、地域によっては秋を通り越して一気に真冬に突入したような気候となっています。我々人間にとっても、肌にとっても、季節を勘違いしてしまうような気候とも言え、今までとは肌の調子や状態が違うと感じている方もおられるのではないでしょうか?気温、湿度共に下がり続ける12月に入り、例年並みの「冬」の気候にシフトしてゆくことを期待したいところです。 1年の締めくくり、12月に意識したいスキンケア 2023年、今年の気象状況を踏まえて、冬本番に突入する12月に意識したいスキンケアとして3つのポイントをお伝えします。 1.暑さが続いた夏から秋→夏肌疲れが残っている可能性植物が季節を間違えてしまうように、肌細胞も季節の移行を正確に捉えることが出来ず夏肌疲れを引きずっている懸念があります。夏以降、くすみ、ニキビ、吹き出物、肌荒れ、毛穴開きなどが気になっている方は、マイルドなクレンジング・洗顔製品を使用し、お肌のベーシックなケアに心がけましょう。 2.寒暖差が激しいと予想されるこれからの冬への備え今年の秋から現在に至るまで、寒暖差が激しい日が多く、それがストレスとなり肌の代謝不良によるトラブル(肌荒れ、ハリのなさ、ゴワつき、たるみなど)が懸念されます。肌トラブルに応じた美容液の選択も意識しましょう。 3.外気の乾燥+室内の暖房による乾燥。(ダブル)で乾燥が襲う冬本番がスタート外気の乾燥に加え、暖房による室内の湿度は外気の半分程度まで下がってしまいます。肌の大敵である乾燥対策として保湿効能の高いジェルやクリームでしっかり肌への潤いを補いましょう。 オススメのエイジングケア美容ライフ 前月は「自然(生理的)老化」とそれを助長する要因である「酸化ストレス」「光老化」「糖化」について触れました。今回はそれらのケアに繋がるオススメの美容ライフについてお伝えします。年齢に伴う肌老化に抗うことはできません。ただ、個人差があるように、その老化スピードのコントロールにつながるライフスタイルのあり方として5つのポイントを取り上げます。 1.ストレスから肌を守り潤いをしっかり与えるスキンケア美肌の基本ともいえるクレンジング・洗顔は、マイルドな処方製品を選び、優しく洗いあげる習慣を身に付けましょう。正しいクレンジング・洗顔がその後の化粧水以降のステップのスキンケア製品の効能の発揮に繋がります。仕上げのジェルやクリームもステップから外さずことなく実行しましょう。化粧水・美容液効果に蓋をし、また、年齢とともに衰える皮脂分泌を補って外的ストレスから肌を守るバリア機能も強化してくれます。つまり、スキンケアを怠らないことが酸化ストレスからも肌を守り、自然(生理的)な肌老化をコントロールすることに繋がります。 2.美容を意識した食生活3食をしっかり摂り、偏食にならないバランスの良い食事は美容ライフとして欠かせません。 ごはん、パン、麺類などの炭水化物は「糖質」として生体活動のエネルギー源となりますが、余分な糖質は脂肪の基となったり糖化の引き金ともなるので摂り過ぎには禁物です。肉、魚、卵、乳製品などの「タンパク質」は、アミノ酸となって筋肉をはじめ、内臓などの成分となり、ホルモンや酵素、免疫細胞も作り出す優れものですので、肌細胞にとっても欠かせません。副菜として摂取される野菜、海藻などに豊富に含まれるビタミン、ミネラル、食物繊維は肌細胞の再生を助け腸内環境を整えてくれます。特に「抗酸化力」の高い成分を含む食材(※表1)を食事の中にバランス良く取り入れることが酸化ストレスによる老化予防に役立ちます。糖化ケアの視点では、味噌・納豆・ヨーグルトなどの発酵食品にはAGEs(最終糖化物質)の生成を阻害することが報告されており、食生活に習慣的に取り入れることがオススメです。また、食事の際にサラダなどの野菜から食すことで血糖値の急激な上昇を抑えることが報告されており、意識されてはどうでしょう? 表1 抗酸化成分を含む食材   3.運動習慣運動習慣は基礎代謝を高めるとともに糖化や肥満の要因となるブドウ糖を消化してくれます。食生活に習慣的に取り入れることがオススメです。 4.睡眠睡眠中には、一日の疲れを癒しカラダの再生する「メラトニン」と「成長ホルモン」という代謝や免疫機能を活性化するホルモンが分泌される重要な時間と言えます。寝不足が続くとAGEsの排出が阻害され、糖化も進んでしまいます。6時間以上の睡眠を確保しましょう。 5.光老化対策日焼け止めは、年間を通じて使用することを意識し、太陽光に直接肌が触れる機会を防ぐ工夫(日傘、サングラス、長袖お羽織など)など、光老化対策を徹底しましょう。 1年の締めくくりとしての振り返りと12月に意識したいスキンケアについてお届けしました。次回のテーマは「2024年のスキンケアカレンダー」をお伝えします。

2023年を振り返る

2023年を振り返ると、5月に新型コロナが「5類」へ変更されインフルエンザと同じ扱いとなったことで、世界的にもAfterコロナ・withコロナの新時代に移行することとなりました。旅行先としての日本人気が高まり、来日されるインバウンド客はコロナ前の水準を上回り、観光地では、オーバーツーリズムの問題が発生しているような状況です。一方、8月24日の福島第一原発での処理水の海洋放出を契機に、中国政府による日本の海産物の輸入禁止措置が取られ、海産物のみならず日本製品の中国向け輸出が大きな影響を受けるなど、予期せぬ事態に陥りました。世界に目を向けるとウクライナ戦争は膠着状態で、さらに10月にはパレスチナ・ハマスとイスラエルによる紛争が始まるなど、来年に向けて国際政治・国際経済は不透明な状態が続くであろう1年の締めくくりとなりました。皆さんにとって、2023年はどのような1年であったでしょうか?今回は1年の締めくくりとしての振り返りと12月に意識したいスキンケアについてお届けしたいと思います。 2023年の肌環境を振り返る 2023年11月までの東京の気象データ推移から今年の肌環境を振り返ってみます。特徴的なのは、夏(6月~8月)の気温が過去最高水準となり9月以降10月にかけてその傾向が続いたことです。11月に入っても20℃を超える日が何度もあったりと、まさに「地球温暖化」を感ずる日々でした。季節外れの桜の開花がニュースになったりと、植物も季節を勘違いするような気候でした。一方、最近(11月下旬)では、北日本に猛烈な寒気が入り込み、早々に大量の積雪を記録するなど、地域によっては秋を通り越して一気に真冬に突入したような気候となっています。我々人間にとっても、肌にとっても、季節を勘違いしてしまうような気候とも言え、今までとは肌の調子や状態が違うと感じている方もおられるのではないでしょうか?気温、湿度共に下がり続ける12月に入り、例年並みの「冬」の気候にシフトしてゆくことを期待したいところです。 1年の締めくくり、12月に意識したいスキンケア 2023年、今年の気象状況を踏まえて、冬本番に突入する12月に意識したいスキンケアとして3つのポイントをお伝えします。 1.暑さが続いた夏から秋→夏肌疲れが残っている可能性植物が季節を間違えてしまうように、肌細胞も季節の移行を正確に捉えることが出来ず夏肌疲れを引きずっている懸念があります。夏以降、くすみ、ニキビ、吹き出物、肌荒れ、毛穴開きなどが気になっている方は、マイルドなクレンジング・洗顔製品を使用し、お肌のベーシックなケアに心がけましょう。 2.寒暖差が激しいと予想されるこれからの冬への備え今年の秋から現在に至るまで、寒暖差が激しい日が多く、それがストレスとなり肌の代謝不良によるトラブル(肌荒れ、ハリのなさ、ゴワつき、たるみなど)が懸念されます。肌トラブルに応じた美容液の選択も意識しましょう。 3.外気の乾燥+室内の暖房による乾燥。(ダブル)で乾燥が襲う冬本番がスタート外気の乾燥に加え、暖房による室内の湿度は外気の半分程度まで下がってしまいます。肌の大敵である乾燥対策として保湿効能の高いジェルやクリームでしっかり肌への潤いを補いましょう。 オススメのエイジングケア美容ライフ 前月は「自然(生理的)老化」とそれを助長する要因である「酸化ストレス」「光老化」「糖化」について触れました。今回はそれらのケアに繋がるオススメの美容ライフについてお伝えします。年齢に伴う肌老化に抗うことはできません。ただ、個人差があるように、その老化スピードのコントロールにつながるライフスタイルのあり方として5つのポイントを取り上げます。 1.ストレスから肌を守り潤いをしっかり与えるスキンケア美肌の基本ともいえるクレンジング・洗顔は、マイルドな処方製品を選び、優しく洗いあげる習慣を身に付けましょう。正しいクレンジング・洗顔がその後の化粧水以降のステップのスキンケア製品の効能の発揮に繋がります。仕上げのジェルやクリームもステップから外さずことなく実行しましょう。化粧水・美容液効果に蓋をし、また、年齢とともに衰える皮脂分泌を補って外的ストレスから肌を守るバリア機能も強化してくれます。つまり、スキンケアを怠らないことが酸化ストレスからも肌を守り、自然(生理的)な肌老化をコントロールすることに繋がります。 2.美容を意識した食生活3食をしっかり摂り、偏食にならないバランスの良い食事は美容ライフとして欠かせません。 ごはん、パン、麺類などの炭水化物は「糖質」として生体活動のエネルギー源となりますが、余分な糖質は脂肪の基となったり糖化の引き金ともなるので摂り過ぎには禁物です。肉、魚、卵、乳製品などの「タンパク質」は、アミノ酸となって筋肉をはじめ、内臓などの成分となり、ホルモンや酵素、免疫細胞も作り出す優れものですので、肌細胞にとっても欠かせません。副菜として摂取される野菜、海藻などに豊富に含まれるビタミン、ミネラル、食物繊維は肌細胞の再生を助け腸内環境を整えてくれます。特に「抗酸化力」の高い成分を含む食材(※表1)を食事の中にバランス良く取り入れることが酸化ストレスによる老化予防に役立ちます。糖化ケアの視点では、味噌・納豆・ヨーグルトなどの発酵食品にはAGEs(最終糖化物質)の生成を阻害することが報告されており、食生活に習慣的に取り入れることがオススメです。また、食事の際にサラダなどの野菜から食すことで血糖値の急激な上昇を抑えることが報告されており、意識されてはどうでしょう? 表1 抗酸化成分を含む食材   3.運動習慣運動習慣は基礎代謝を高めるとともに糖化や肥満の要因となるブドウ糖を消化してくれます。食生活に習慣的に取り入れることがオススメです。 4.睡眠睡眠中には、一日の疲れを癒しカラダの再生する「メラトニン」と「成長ホルモン」という代謝や免疫機能を活性化するホルモンが分泌される重要な時間と言えます。寝不足が続くとAGEsの排出が阻害され、糖化も進んでしまいます。6時間以上の睡眠を確保しましょう。 5.光老化対策日焼け止めは、年間を通じて使用することを意識し、太陽光に直接肌が触れる機会を防ぐ工夫(日傘、サングラス、長袖お羽織など)など、光老化対策を徹底しましょう。 1年の締めくくりとしての振り返りと12月に意識したいスキンケアについてお届けしました。次回のテーマは「2024年のスキンケアカレンダー」をお伝えします。

秋本番。冬への備えのエイジングケア

秋本番。冬への備えのエイジングケア

本来、秋本番から晩秋に向かうはずの11月ですが、各地で夏日を記録する日が続いたり、季節外れで桜の開花が報道されたりと、植物たちにとっても季節を勘違いするような異例な気候状態が続いています。気温や湿度の変化は肌状態に密接に関わっていますので、今年の11月は例年とは異なるスキンケアへの取り組みが求められそうです。11月中旬以降には、本来の気候に戻ることを想定して、今回は冬への備えとしてのエイジングケアについてお届けしたいと思います。 2023年気候の特徴 過去10年間の東京の平均気温の推移を振り返ると、例年は16℃前後であるところが、今年(2023年)の平均気温は18.9℃に跳ね上がる結果となりました。猛暑の夏の影響を引きずるように、10月も25℃以上の夏日を12日も記録し、この傾向は11月に入っても続いています。湿度は平年並みの67%でしたので、気温のみが高い10月となりました。つまり、気温は高めでしたが湿度は着実に秋を深めていますので、乾燥の本番である冬に向かって季節が進んでいることは間違いありません。未だ、肌の乾燥を実感されていない方も多いかと思いますが、大気の乾燥とともに肌の乾燥が着実に進む時期ですので、乾燥を意識したスキンケアへのシフトが大切です。 冬への備えとして意識したいスキンケアのキーワード 冬への備えとしてのスキンケアは「保湿強化」と「バリア機能強化」の二つを意識しましょう。 1.保湿強化秋から冬にかけては、大気の乾燥という外的な環境に加えて、肌自身からの水蒸散量も上昇することから、内からも外からも乾燥が進む状況にあります。さらに、年を重ねるにつれ肌の潤いの源ともいえるNMF(天然保湿因子)の生成能力も衰えることから、乾燥の季節と相まって肌の乾燥が一気に進むこととなります。化粧品により、しっかりと肌に潤いを与えることが大切です。 2.バリア機能強化夏場に最も増える皮脂分泌は秋から冬にかけ一気に低下することがわかっています。皮脂は表皮の皮脂腺から分泌された皮脂がクリーム状になったもので角質層内の水分の蒸発を防ぎ、外からの様々なストレスから肌を守ります。この季節、皮脂分泌は減り続けるので、皮脂膜の機能低下を補う保湿クリームも欠かせません。 潤いを「与え、逃がさない」スキンケアに取り組むことで乾燥の冬に備えましょう。 エイジングケア 前月の『秋本番のスキンケア。紅葉にヒントあり!』では美容の観点からの「抗酸化」について触れましたが、今回はその続編ともいえる「エイジングケア」についてお伝えします。 エイジングケア、アンチエイジングとは?エイジング(=Aging)とは、「加齢」「老化」を意味する英語ですが、「あらがう」「ふせぐ」を意味するアンチ(=Ant)を加えることでアンチエイジング(=Anti+Aging)、つまり、「抗加齢」「抗老化」との意味になります。薬機法ではアンチエイジングとの用語は化粧品の効果効能としては使用できず、その代替としてエイジングケア(=年齢に応じたケア)との用語使いが一般的です。   1.自然(生理的)老化年齢に伴う生理的な老化を指します。ヒトは生まれた瞬間を100とすると細胞の再生能力は年齢を重ねるとともに低下し続けます。肌に関していえば、コラーゲンも保湿の源であるNMF(天然保湿因子)も加齢により生成能力が衰えることから、生理的老化を避けることはできません。この生理的老化を助長するその他の要因があり、結果として、肌老化の個人差にも繋がると考えられています。 2.生理的老化を助長する要因   ①酸化ストレス(活性酸素増)紫外線、放射線、大気汚染物質、たばこ、化学物質など酸化ストレスが原因で発生する酸化力の強い活性酸素(フリーラジカル)による身体の酸化現象を指します。活性酸素のターゲットはタンパク質、脂質、核酸、糖など広範囲であり、活性酸素により酸化された細胞分子は、正常な構造・機能を失うこととなり、結果、様々な疾病や肌老化の要因ともなります。 ②光老化太陽光線を長期間・無防備に浴びると肌の光老化がおこります。表皮では、B紫外線(UVB)の影響でメラニンをつくり肌を守るのですが、過剰な日焼けでメラニンが大量につくられるとしみの原因になります。真皮では、コラーゲンとエラスチンで肌の弾力が保たれているのですが、A紫外線(UVA)や近赤外線(NIR)を浴び続けるとコラーゲンとエラスチンは変性しシワ、たるみが生じることとなります。 ③糖化体内で消費し切れずに余ってしまった過剰な糖質は、体内のコラーゲンやエラスチンなどのタンパク質を結合・変性させてAGEs(Advanced Glycation End Product : 最終糖化物質)と呼ばれる、弾力の無い物質を生み出します。AGEsは分解・排出されにくく、蓄積されてゆき、肌老化だけでなく健康面でも美容面でも悪影響を及ぼします。 秋本番~晩秋の11月。「潤いを与え、逃がさない」冬への備えのスキンケアとエイジングケアについてお届けしました。次回のテーマは「1年の振り返り」をお伝えします。

秋本番。冬への備えのエイジングケア

本来、秋本番から晩秋に向かうはずの11月ですが、各地で夏日を記録する日が続いたり、季節外れで桜の開花が報道されたりと、植物たちにとっても季節を勘違いするような異例な気候状態が続いています。気温や湿度の変化は肌状態に密接に関わっていますので、今年の11月は例年とは異なるスキンケアへの取り組みが求められそうです。11月中旬以降には、本来の気候に戻ることを想定して、今回は冬への備えとしてのエイジングケアについてお届けしたいと思います。 2023年気候の特徴 過去10年間の東京の平均気温の推移を振り返ると、例年は16℃前後であるところが、今年(2023年)の平均気温は18.9℃に跳ね上がる結果となりました。猛暑の夏の影響を引きずるように、10月も25℃以上の夏日を12日も記録し、この傾向は11月に入っても続いています。湿度は平年並みの67%でしたので、気温のみが高い10月となりました。つまり、気温は高めでしたが湿度は着実に秋を深めていますので、乾燥の本番である冬に向かって季節が進んでいることは間違いありません。未だ、肌の乾燥を実感されていない方も多いかと思いますが、大気の乾燥とともに肌の乾燥が着実に進む時期ですので、乾燥を意識したスキンケアへのシフトが大切です。 冬への備えとして意識したいスキンケアのキーワード 冬への備えとしてのスキンケアは「保湿強化」と「バリア機能強化」の二つを意識しましょう。 1.保湿強化秋から冬にかけては、大気の乾燥という外的な環境に加えて、肌自身からの水蒸散量も上昇することから、内からも外からも乾燥が進む状況にあります。さらに、年を重ねるにつれ肌の潤いの源ともいえるNMF(天然保湿因子)の生成能力も衰えることから、乾燥の季節と相まって肌の乾燥が一気に進むこととなります。化粧品により、しっかりと肌に潤いを与えることが大切です。 2.バリア機能強化夏場に最も増える皮脂分泌は秋から冬にかけ一気に低下することがわかっています。皮脂は表皮の皮脂腺から分泌された皮脂がクリーム状になったもので角質層内の水分の蒸発を防ぎ、外からの様々なストレスから肌を守ります。この季節、皮脂分泌は減り続けるので、皮脂膜の機能低下を補う保湿クリームも欠かせません。 潤いを「与え、逃がさない」スキンケアに取り組むことで乾燥の冬に備えましょう。 エイジングケア 前月の『秋本番のスキンケア。紅葉にヒントあり!』では美容の観点からの「抗酸化」について触れましたが、今回はその続編ともいえる「エイジングケア」についてお伝えします。 エイジングケア、アンチエイジングとは?エイジング(=Aging)とは、「加齢」「老化」を意味する英語ですが、「あらがう」「ふせぐ」を意味するアンチ(=Ant)を加えることでアンチエイジング(=Anti+Aging)、つまり、「抗加齢」「抗老化」との意味になります。薬機法ではアンチエイジングとの用語は化粧品の効果効能としては使用できず、その代替としてエイジングケア(=年齢に応じたケア)との用語使いが一般的です。   1.自然(生理的)老化年齢に伴う生理的な老化を指します。ヒトは生まれた瞬間を100とすると細胞の再生能力は年齢を重ねるとともに低下し続けます。肌に関していえば、コラーゲンも保湿の源であるNMF(天然保湿因子)も加齢により生成能力が衰えることから、生理的老化を避けることはできません。この生理的老化を助長するその他の要因があり、結果として、肌老化の個人差にも繋がると考えられています。 2.生理的老化を助長する要因   ①酸化ストレス(活性酸素増)紫外線、放射線、大気汚染物質、たばこ、化学物質など酸化ストレスが原因で発生する酸化力の強い活性酸素(フリーラジカル)による身体の酸化現象を指します。活性酸素のターゲットはタンパク質、脂質、核酸、糖など広範囲であり、活性酸素により酸化された細胞分子は、正常な構造・機能を失うこととなり、結果、様々な疾病や肌老化の要因ともなります。 ②光老化太陽光線を長期間・無防備に浴びると肌の光老化がおこります。表皮では、B紫外線(UVB)の影響でメラニンをつくり肌を守るのですが、過剰な日焼けでメラニンが大量につくられるとしみの原因になります。真皮では、コラーゲンとエラスチンで肌の弾力が保たれているのですが、A紫外線(UVA)や近赤外線(NIR)を浴び続けるとコラーゲンとエラスチンは変性しシワ、たるみが生じることとなります。 ③糖化体内で消費し切れずに余ってしまった過剰な糖質は、体内のコラーゲンやエラスチンなどのタンパク質を結合・変性させてAGEs(Advanced Glycation End Product : 最終糖化物質)と呼ばれる、弾力の無い物質を生み出します。AGEsは分解・排出されにくく、蓄積されてゆき、肌老化だけでなく健康面でも美容面でも悪影響を及ぼします。 秋本番~晩秋の11月。「潤いを与え、逃がさない」冬への備えのスキンケアとエイジングケアについてお届けしました。次回のテーマは「1年の振り返り」をお伝えします。