7月に意識したい、夏本番のスキンケア

7月23日に開会式を迎えるコロナ禍でのオリンピック…特別な7月のスタートです。
コロナワクチン接種も進んでいますが、オリンピック~パラリンピックが安心・安全な大会運営されることを祈りたいと思います。7月は、梅雨明け前後でお肌環境は大きく変わります。梅雨明け後は、いよいよ夏本番の到来です。今回は「梅雨明け後のスキンケア」に焦点を当てたいと思います。


今年の梅雨明けはいつ?

 

 

 

 


※気象庁データ参照

 

昨年2020年、関東甲信越地方の梅雨明けは8月1日で、7月一杯梅雨が続きました。結果、昨年の東京の例でいえば、7月は梅雨期間中、8月は梅雨明け後のお肌環境となり、梅雨明け後のお肌環境としては、多湿状態が続き高温のレベルが一気に上がっていることがわかります。

① 多湿の継続
② 気温上昇              (平均最高気温 7月  27.6℃ → 8月 34.1℃) 
③ 日照時間増による太陽光照射量の増加 (平均日照時間 7月  1.5時間 → 8月 8.2時間) 

多湿が継続しますので、発汗対策・皮脂対策の継続と、梅雨明け後の太陽光対策の継続がマストであることが自ずとわかります。注目したいのは気温の上昇です。自宅や会社の室内でも、通勤途上の車内でも、一段とエアコンの設定温度が低くなり、エアコンによる乾燥に加え、外気との寒暖差が一気に拡大し、カラダにとってもお肌にとってもこの寒暖差が大きなストレスとなります。


夏本番のスキンケアキーワード 「代謝不良」

夏本番の「寒暖差ストレス」により引き起こされるトラブルとして意識しておきたいのは「代謝不良」です。
お肌で言えば、寒暖差ストレスが引き金となり、新陳代謝であるターンオーバーを乱れさせ不調を引き起こしかねません。お肌の不調により、汗や皮脂など自らの排出物のみならず、紫外線など外的なストレスへの抵抗力も衰え、深刻なトラブルへと移行しかねません。

カラダでいえば、寒暖差ストレスにより自律神経に不調を引き起こし、夏の「冷え性」や逆に「ほてりや微熱」など体温調節機能の乱れ、睡眠不足、疲労感、倦怠感など、様々な体調不良に繋がることが懸念されます。体調とお肌の状態は深く関係していますので、お肌も不健康な状態に陥ります。


代謝と美容

一口に「代謝」と言っても、学術的にも医学的に様々な代謝が定義されていますが、皆さんにとって馴染みのある「基礎代謝」および「新陳代謝(お肌の場合はターンオーバーを意味する)」について、今一度理解を深めていだき、日々の美容ライフに活かしていだだければと思います。

・基礎代謝とは?
基礎代謝とは、ヒトが生きてゆくために必要な最低限のエネルギー量を意味しています。
代謝能力の衰え=エネルギー消費能力の衰えですので、摂取したエネルギー(カロリー)が十分に消費されずに、脂肪分解能力の低下も加わって肥満につながりやすいということになります。
基礎代謝が年齢とともに低下するということは、血管、臓器、筋肉などを形作る細胞の代謝機能の衰えとも言えるので体調や健康全般に深く関わっています。従って、基礎代謝を上げるライフスタイルが美容にも健康にも大切で、摂取したエネルギー源をしっかり消費する運動習慣、また、消費能力以上にエネルギー源を摂取しない食生活の工夫・改善の両方を意識することが重要です。

・新陳代謝とは?
「陳」とは古いもの、「謝」とは去ることを意味し、言葉としては新しいものと古いものが入れ替わることを意味します。生体内では、必要なものを摂取し新たな細胞などを生み出し古い不要物を排出する作用のことを指し、「動的代謝」と形容されることがあります。

お肌に関して言えば「ターンオーバー」が新陳代謝となります。表皮の基底層で新しい肌細胞が生まれ、それが上へと押し上げられ、やがて垢や古い角質層が剥がれ落ちる形で排出されるサイクルを指します。28日周期と言われがちですが、様々な研究報告では6週間程度と報告されたり、年齢と共にその周期は長くなる傾向にあるようです。ターンオーバー周期は短くても、長すぎてもお肌の不調に繋がります。短い場合は、新しい皮膚細胞がしっかり成長する前に剥がれ落ちてしまい、未熟とも言える角質層が本来のバリア機能を発揮出来ないことになりかねません。逆に周期が長過ぎると、角質が厚く固い状態に陥り、お肌のかさつきやゴワつきに繋がりかねません。

お肌のターンオーバーのみならず、広く代謝を乱れさせる要因を理解し意識したライフスタイルを実践しましょう。
<代謝を乱れさせる要因例>
 ・寝不足 ・無理なダイエット・外的ストレス(紫外線、乾燥、寒暖差など)
 ・食生活の乱れ(野菜不足・脂肪分過多)・疲労・冷え性・タバコ
 ・就寝直前の飲食・飲酒・暴飲暴食・便秘・運動不足 など

7月に意識したい、スキンケアについてお届けしました。
次回は、“夏肌癒しのスキンケア”のヒントをお伝えしたいと思います。

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  • 秋本番のスキンケア。スキンフードとしての化粧品

    ようやく猛暑の夏も終わり、秋めいてきつつある今日この頃です。一方で、10月も30℃超えの日もあるとの予報もあり、本格的な秋の到来にはもう少し時間がかかりそうです。秋と言えば、実りの秋、食欲の秋、読書の秋、スポーツの秋、行楽の秋…と、過ごしやすい気候への移行が進むことから、この季節を形容する言葉が多々あります。スキンケアにとっても夏の肌疲れから、肌にとって過酷な冬を迎える前に肌の調子を整える準備期間と言えます。今回は「秋本番のスキンケア」についてお届けしたいと思います。 10月の肌環境 昨年2023年の東京の平均気温・平均湿度の推移では、10月に気温・湿度共に急降下していることがわかります。   ■平均気温:9月、26.7℃→10月、18.9℃へ■平均湿度:9月、80%→10月、67%へ 気温の大きな変化は、「寒暖差ストレス」として肌の代謝不良の要因となり、湿度の低下は、肌の大敵である「乾燥」の呼び水となり、10月の肌環境としては、過ごしやすい気候でありながら肌の調子を整える意味では、気温・湿度の急降下が悪影響をもたらします。今年の10月前半は、引き続き気温が高めのようで、台風の影響もあり、降水量も多く、湿度も高めの日もありそうですので、夏の肌疲れを引きずる傾向になりそうです。これからの乾燥の季節に備えて、まずは、肌の調子を整える保湿強化が求められます。本格的な乾燥シーズンを迎える用意としては、肌のハリ・弾力を意識したエイジングケア効能のある美容液も取り入れることがオススメです。 スキンフードとしての化粧品の効果・効能成分 化粧品は、肌に外から美容成分を与え、経皮吸収により様々な効果効能を肌内部(各層まで)に届けるという意味で、肌にとっての食物、つまりスキンフードと形容されたりします。ここでは、肌に与えたい栄養ともいえる代表的な化粧品成分について整理してみます。 うるおい成分肌細胞を構成するコラーゲン、エラスチンそして、肌自身の水分を保つ天然保湿因子(NMF:Natural Moisturizing Factor)など、本来自らの体内で生成されているこれらが健全に保たれていれば化粧品により外から補うことは不要かもしれません。残念ながら、年齢を重ねるつれ、これら成分の体内での生成量が減少してしまい、化粧品成分として外から与え補う意義が生まれてきます。また、乾燥の季節には、肌表面にうるおい成分を補うことで、乾燥によるトラブルをケアできます。代表的な成分としては、加水分解コラーゲン、ヒアルロン酸、セラミド、アミノ酸類、植物抽出エキス類があります。 ハリ・ツヤ成分うるおい成分が、その保湿効能により肌にハリ・弾力を与える側面もあるので、化粧品によるハリやツヤの効果効能を得るためには、スキンケアの際、うるおい成分による保湿ケアを組み合わせることが有用です。代表的な成分としてはレチノール、ナイアシンアミド、ペプチド類、ハリ・ツヤ効能が期待される各種植物抽出エキス類があります。 秋にオススメの美容食材実りの秋には、秋にオススメの抗酸化成分を豊富に含む食材を摂取することもオススメです。【ビタミンC、カロテノイド】緑黄色野菜、かんきつ類など【ビタミンE】オリーブオイル、種実類(アーモンド、ナッツ類)【ポリフェノール】りんご、赤ワインなど【ミネラル類】海藻類、青魚(サバ、サンマ、いわし)など 美容の4大要素(化粧品+食材+適度な運動習慣+良質な睡眠)を意識した実りの秋を過ごしましょう! アンチエイジング 「アンチエイジング」を一言で言うと老化を抑えることです。エイジング(aging)は「加齢」「老化」を意味し、アンチ(anti)は「抵抗」を表しています。なお、日本の薬機法では、化粧品の効果効能としての「アンチエイジング」という言葉は使用できません。その代替として「エイジングケア」という言葉を使い、さらに「年齢に応じたハリ・艶ケアのこと」などの注釈を付して表現しています。「アンチエイジング」という言葉の意味が幅広く、医療的な効果効能とも誤解されかねないというのが、背景にあるようです。 肌老化の要因を知り、老化スピードを遅らせることはできないか?個人差はありますが、20歳を過ぎる頃から、肌代謝の衰えが始まります。年齢を重ねるにつれ、その衰えは進み、40歳を過ぎると一般的に肌のみならずカラダ全体にいわゆる「老化」が始まります。アンチエイジングの直接的な意味合いは、「老化」を抑えることになりますが、現代社会は老化を促す要因に溢れており、これらの要因を理解し、多少なりとも衰えのスピードの抑制を目指した生活習慣を送ることが大切です。 ■生理的加齢と老化「若返りの薬」でも発明されない限り、生理的な加齢に伴う老化を抑えることはできません。一方、その他の老化を促進する要因を理解し、ケアを実践できれば、老化のスピードを遅らせることに繋がるのでは無いでしょうか。 ■ 紫外線による光老化生を受けてから紫外線を浴び続ける日々が生涯続きます。紫外線によりシワ、タルミといった肌老化が進むことがわかっており、光老化と言われています。紫外線対策=アンチエイジングに繋がるということは意外と知られていません。日焼けそのものや日焼けによるシミを気にするだけでなく、紫外線ケアを通年行うことの重要性を再認識しましょう。 ■ エアコンによる乾燥状態の継続夏も、冬も自宅・職場・車内でのエアコン生活が一般化しています。エアコン環境は乾燥が進むことから、私たちは、大気以上の乾燥状態の中で生活をしていることになります。乾燥も肌老化を促す要因となるのでエアコン環境下では、保湿ケアの強化が必須となります。 ■ ストレス一言では説明しきれない多種多様なストレスに私たちは日々襲われています。美容面だけでなく、健康面でもストレスは肌トラブルや疾病の引き金になります。肌老化の面でもそれを助長する要因となります。ストレスを発散する日常生活での工夫が大切です。ONとOFFの切り替え、没頭できる趣味を持つこと、適度な運動習慣を取り入れること、規則正しい生活、バランスの良い食事習慣、良質な睡眠への工夫など、美容と健康の為には、これらの意識と実践が求められます。できることから少しずつで良いので、意識と生活習慣の見直しに取り組みましょう。年齢を重ねても、健やかで、若々しさを保つことにつながることでしょう。 秋本番のスキンケアについてお伝えしました!

    ようやく猛暑の夏も終わり、秋めいてきつつある今日この頃です。一方で、10月も30℃超えの日もあるとの予報もあり、本格的な秋の到来にはもう少し時間がかかりそうです。秋と言えば、実りの秋、食欲の秋、読書の秋、スポーツの秋、行楽の秋…と、過ごしやすい気候への移行が進むことから、この季節を形容する言葉が多々あります。スキンケアにとっても夏の肌疲れから、肌にとって過酷な冬を迎える前に肌の調子を整える準備期間と言えます。今回は「秋本番のスキンケア」についてお届けしたいと思います。 10月の肌環境 昨年2023年の東京の平均気温・平均湿度の推移では、10月に気温・湿度共に急降下していることがわかります。   ■平均気温:9月、26.7℃→10月、18.9℃へ■平均湿度:9月、80%→10月、67%へ 気温の大きな変化は、「寒暖差ストレス」として肌の代謝不良の要因となり、湿度の低下は、肌の大敵である「乾燥」の呼び水となり、10月の肌環境としては、過ごしやすい気候でありながら肌の調子を整える意味では、気温・湿度の急降下が悪影響をもたらします。今年の10月前半は、引き続き気温が高めのようで、台風の影響もあり、降水量も多く、湿度も高めの日もありそうですので、夏の肌疲れを引きずる傾向になりそうです。これからの乾燥の季節に備えて、まずは、肌の調子を整える保湿強化が求められます。本格的な乾燥シーズンを迎える用意としては、肌のハリ・弾力を意識したエイジングケア効能のある美容液も取り入れることがオススメです。 スキンフードとしての化粧品の効果・効能成分 化粧品は、肌に外から美容成分を与え、経皮吸収により様々な効果効能を肌内部(各層まで)に届けるという意味で、肌にとっての食物、つまりスキンフードと形容されたりします。ここでは、肌に与えたい栄養ともいえる代表的な化粧品成分について整理してみます。 うるおい成分肌細胞を構成するコラーゲン、エラスチンそして、肌自身の水分を保つ天然保湿因子(NMF:Natural Moisturizing Factor)など、本来自らの体内で生成されているこれらが健全に保たれていれば化粧品により外から補うことは不要かもしれません。残念ながら、年齢を重ねるつれ、これら成分の体内での生成量が減少してしまい、化粧品成分として外から与え補う意義が生まれてきます。また、乾燥の季節には、肌表面にうるおい成分を補うことで、乾燥によるトラブルをケアできます。代表的な成分としては、加水分解コラーゲン、ヒアルロン酸、セラミド、アミノ酸類、植物抽出エキス類があります。 ハリ・ツヤ成分うるおい成分が、その保湿効能により肌にハリ・弾力を与える側面もあるので、化粧品によるハリやツヤの効果効能を得るためには、スキンケアの際、うるおい成分による保湿ケアを組み合わせることが有用です。代表的な成分としてはレチノール、ナイアシンアミド、ペプチド類、ハリ・ツヤ効能が期待される各種植物抽出エキス類があります。 秋にオススメの美容食材実りの秋には、秋にオススメの抗酸化成分を豊富に含む食材を摂取することもオススメです。【ビタミンC、カロテノイド】緑黄色野菜、かんきつ類など【ビタミンE】オリーブオイル、種実類(アーモンド、ナッツ類)【ポリフェノール】りんご、赤ワインなど【ミネラル類】海藻類、青魚(サバ、サンマ、いわし)など 美容の4大要素(化粧品+食材+適度な運動習慣+良質な睡眠)を意識した実りの秋を過ごしましょう! アンチエイジング 「アンチエイジング」を一言で言うと老化を抑えることです。エイジング(aging)は「加齢」「老化」を意味し、アンチ(anti)は「抵抗」を表しています。なお、日本の薬機法では、化粧品の効果効能としての「アンチエイジング」という言葉は使用できません。その代替として「エイジングケア」という言葉を使い、さらに「年齢に応じたハリ・艶ケアのこと」などの注釈を付して表現しています。「アンチエイジング」という言葉の意味が幅広く、医療的な効果効能とも誤解されかねないというのが、背景にあるようです。 肌老化の要因を知り、老化スピードを遅らせることはできないか?個人差はありますが、20歳を過ぎる頃から、肌代謝の衰えが始まります。年齢を重ねるにつれ、その衰えは進み、40歳を過ぎると一般的に肌のみならずカラダ全体にいわゆる「老化」が始まります。アンチエイジングの直接的な意味合いは、「老化」を抑えることになりますが、現代社会は老化を促す要因に溢れており、これらの要因を理解し、多少なりとも衰えのスピードの抑制を目指した生活習慣を送ることが大切です。 ■生理的加齢と老化「若返りの薬」でも発明されない限り、生理的な加齢に伴う老化を抑えることはできません。一方、その他の老化を促進する要因を理解し、ケアを実践できれば、老化のスピードを遅らせることに繋がるのでは無いでしょうか。 ■ 紫外線による光老化生を受けてから紫外線を浴び続ける日々が生涯続きます。紫外線によりシワ、タルミといった肌老化が進むことがわかっており、光老化と言われています。紫外線対策=アンチエイジングに繋がるということは意外と知られていません。日焼けそのものや日焼けによるシミを気にするだけでなく、紫外線ケアを通年行うことの重要性を再認識しましょう。 ■ エアコンによる乾燥状態の継続夏も、冬も自宅・職場・車内でのエアコン生活が一般化しています。エアコン環境は乾燥が進むことから、私たちは、大気以上の乾燥状態の中で生活をしていることになります。乾燥も肌老化を促す要因となるのでエアコン環境下では、保湿ケアの強化が必須となります。 ■ ストレス一言では説明しきれない多種多様なストレスに私たちは日々襲われています。美容面だけでなく、健康面でもストレスは肌トラブルや疾病の引き金になります。肌老化の面でもそれを助長する要因となります。ストレスを発散する日常生活での工夫が大切です。ONとOFFの切り替え、没頭できる趣味を持つこと、適度な運動習慣を取り入れること、規則正しい生活、バランスの良い食事習慣、良質な睡眠への工夫など、美容と健康の為には、これらの意識と実践が求められます。できることから少しずつで良いので、意識と生活習慣の見直しに取り組みましょう。年齢を重ねても、健やかで、若々しさを保つことにつながることでしょう。 秋本番のスキンケアについてお伝えしました!

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