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2023年を振り返る

2023年を振り返る

2023年を振り返ると、5月に新型コロナが「5類」へ変更されインフルエンザと同じ扱いとなったことで、世界的にもAfterコロナ・withコロナの新時代に移行することとなりました。旅行先としての日本人気が高まり、来日されるインバウンド客はコロナ前の水準を上回り、観光地では、オーバーツーリズムの問題が発生しているような状況です。一方、8月24日の福島第一原発での処理水の海洋放出を契機に、中国政府による日本の海産物の輸入禁止措置が取られ、海産物のみならず日本製品の中国向け輸出が大きな影響を受けるなど、予期せぬ事態に陥りました。世界に目を向けるとウクライナ戦争は膠着状態で、さらに10月にはパレスチナ・ハマスとイスラエルによる紛争が始まるなど、来年に向けて国際政治・国際経済は不透明な状態が続くであろう1年の締めくくりとなりました。皆さんにとって、2023年はどのような1年であったでしょうか?今回は1年の締めくくりとしての振り返りと12月に意識したいスキンケアについてお届けしたいと思います。 2023年の肌環境を振り返る 2023年11月までの東京の気象データ推移から今年の肌環境を振り返ってみます。特徴的なのは、夏(6月~8月)の気温が過去最高水準となり9月以降10月にかけてその傾向が続いたことです。11月に入っても20℃を超える日が何度もあったりと、まさに「地球温暖化」を感ずる日々でした。季節外れの桜の開花がニュースになったりと、植物も季節を勘違いするような気候でした。一方、最近(11月下旬)では、北日本に猛烈な寒気が入り込み、早々に大量の積雪を記録するなど、地域によっては秋を通り越して一気に真冬に突入したような気候となっています。我々人間にとっても、肌にとっても、季節を勘違いしてしまうような気候とも言え、今までとは肌の調子や状態が違うと感じている方もおられるのではないでしょうか?気温、湿度共に下がり続ける12月に入り、例年並みの「冬」の気候にシフトしてゆくことを期待したいところです。 1年の締めくくり、12月に意識したいスキンケア 2023年、今年の気象状況を踏まえて、冬本番に突入する12月に意識したいスキンケアとして3つのポイントをお伝えします。 1.暑さが続いた夏から秋→夏肌疲れが残っている可能性植物が季節を間違えてしまうように、肌細胞も季節の移行を正確に捉えることが出来ず夏肌疲れを引きずっている懸念があります。夏以降、くすみ、ニキビ、吹き出物、肌荒れ、毛穴開きなどが気になっている方は、マイルドなクレンジング・洗顔製品を使用し、お肌のベーシックなケアに心がけましょう。 2.寒暖差が激しいと予想されるこれからの冬への備え今年の秋から現在に至るまで、寒暖差が激しい日が多く、それがストレスとなり肌の代謝不良によるトラブル(肌荒れ、ハリのなさ、ゴワつき、たるみなど)が懸念されます。肌トラブルに応じた美容液の選択も意識しましょう。 3.外気の乾燥+室内の暖房による乾燥。(ダブル)で乾燥が襲う冬本番がスタート外気の乾燥に加え、暖房による室内の湿度は外気の半分程度まで下がってしまいます。肌の大敵である乾燥対策として保湿効能の高いジェルやクリームでしっかり肌への潤いを補いましょう。 オススメのエイジングケア美容ライフ 前月は「自然(生理的)老化」とそれを助長する要因である「酸化ストレス」「光老化」「糖化」について触れました。今回はそれらのケアに繋がるオススメの美容ライフについてお伝えします。年齢に伴う肌老化に抗うことはできません。ただ、個人差があるように、その老化スピードのコントロールにつながるライフスタイルのあり方として5つのポイントを取り上げます。 1.ストレスから肌を守り潤いをしっかり与えるスキンケア美肌の基本ともいえるクレンジング・洗顔は、マイルドな処方製品を選び、優しく洗いあげる習慣を身に付けましょう。正しいクレンジング・洗顔がその後の化粧水以降のステップのスキンケア製品の効能の発揮に繋がります。仕上げのジェルやクリームもステップから外さずことなく実行しましょう。化粧水・美容液効果に蓋をし、また、年齢とともに衰える皮脂分泌を補って外的ストレスから肌を守るバリア機能も強化してくれます。つまり、スキンケアを怠らないことが酸化ストレスからも肌を守り、自然(生理的)な肌老化をコントロールすることに繋がります。 2.美容を意識した食生活3食をしっかり摂り、偏食にならないバランスの良い食事は美容ライフとして欠かせません。 ごはん、パン、麺類などの炭水化物は「糖質」として生体活動のエネルギー源となりますが、余分な糖質は脂肪の基となったり糖化の引き金ともなるので摂り過ぎには禁物です。肉、魚、卵、乳製品などの「タンパク質」は、アミノ酸となって筋肉をはじめ、内臓などの成分となり、ホルモンや酵素、免疫細胞も作り出す優れものですので、肌細胞にとっても欠かせません。副菜として摂取される野菜、海藻などに豊富に含まれるビタミン、ミネラル、食物繊維は肌細胞の再生を助け腸内環境を整えてくれます。特に「抗酸化力」の高い成分を含む食材(※表1)を食事の中にバランス良く取り入れることが酸化ストレスによる老化予防に役立ちます。糖化ケアの視点では、味噌・納豆・ヨーグルトなどの発酵食品にはAGEs(最終糖化物質)の生成を阻害することが報告されており、食生活に習慣的に取り入れることがオススメです。また、食事の際にサラダなどの野菜から食すことで血糖値の急激な上昇を抑えることが報告されており、意識されてはどうでしょう? 表1 抗酸化成分を含む食材   3.運動習慣運動習慣は基礎代謝を高めるとともに糖化や肥満の要因となるブドウ糖を消化してくれます。食生活に習慣的に取り入れることがオススメです。 4.睡眠睡眠中には、一日の疲れを癒しカラダの再生する「メラトニン」と「成長ホルモン」という代謝や免疫機能を活性化するホルモンが分泌される重要な時間と言えます。寝不足が続くとAGEsの排出が阻害され、糖化も進んでしまいます。6時間以上の睡眠を確保しましょう。 5.光老化対策日焼け止めは、年間を通じて使用することを意識し、太陽光に直接肌が触れる機会を防ぐ工夫(日傘、サングラス、長袖お羽織など)など、光老化対策を徹底しましょう。 1年の締めくくりとしての振り返りと12月に意識したいスキンケアについてお届けしました。次回のテーマは「2024年のスキンケアカレンダー」をお伝えします。

2023年を振り返る

2023年を振り返ると、5月に新型コロナが「5類」へ変更されインフルエンザと同じ扱いとなったことで、世界的にもAfterコロナ・withコロナの新時代に移行することとなりました。旅行先としての日本人気が高まり、来日されるインバウンド客はコロナ前の水準を上回り、観光地では、オーバーツーリズムの問題が発生しているような状況です。一方、8月24日の福島第一原発での処理水の海洋放出を契機に、中国政府による日本の海産物の輸入禁止措置が取られ、海産物のみならず日本製品の中国向け輸出が大きな影響を受けるなど、予期せぬ事態に陥りました。世界に目を向けるとウクライナ戦争は膠着状態で、さらに10月にはパレスチナ・ハマスとイスラエルによる紛争が始まるなど、来年に向けて国際政治・国際経済は不透明な状態が続くであろう1年の締めくくりとなりました。皆さんにとって、2023年はどのような1年であったでしょうか?今回は1年の締めくくりとしての振り返りと12月に意識したいスキンケアについてお届けしたいと思います。 2023年の肌環境を振り返る 2023年11月までの東京の気象データ推移から今年の肌環境を振り返ってみます。特徴的なのは、夏(6月~8月)の気温が過去最高水準となり9月以降10月にかけてその傾向が続いたことです。11月に入っても20℃を超える日が何度もあったりと、まさに「地球温暖化」を感ずる日々でした。季節外れの桜の開花がニュースになったりと、植物も季節を勘違いするような気候でした。一方、最近(11月下旬)では、北日本に猛烈な寒気が入り込み、早々に大量の積雪を記録するなど、地域によっては秋を通り越して一気に真冬に突入したような気候となっています。我々人間にとっても、肌にとっても、季節を勘違いしてしまうような気候とも言え、今までとは肌の調子や状態が違うと感じている方もおられるのではないでしょうか?気温、湿度共に下がり続ける12月に入り、例年並みの「冬」の気候にシフトしてゆくことを期待したいところです。 1年の締めくくり、12月に意識したいスキンケア 2023年、今年の気象状況を踏まえて、冬本番に突入する12月に意識したいスキンケアとして3つのポイントをお伝えします。 1.暑さが続いた夏から秋→夏肌疲れが残っている可能性植物が季節を間違えてしまうように、肌細胞も季節の移行を正確に捉えることが出来ず夏肌疲れを引きずっている懸念があります。夏以降、くすみ、ニキビ、吹き出物、肌荒れ、毛穴開きなどが気になっている方は、マイルドなクレンジング・洗顔製品を使用し、お肌のベーシックなケアに心がけましょう。 2.寒暖差が激しいと予想されるこれからの冬への備え今年の秋から現在に至るまで、寒暖差が激しい日が多く、それがストレスとなり肌の代謝不良によるトラブル(肌荒れ、ハリのなさ、ゴワつき、たるみなど)が懸念されます。肌トラブルに応じた美容液の選択も意識しましょう。 3.外気の乾燥+室内の暖房による乾燥。(ダブル)で乾燥が襲う冬本番がスタート外気の乾燥に加え、暖房による室内の湿度は外気の半分程度まで下がってしまいます。肌の大敵である乾燥対策として保湿効能の高いジェルやクリームでしっかり肌への潤いを補いましょう。 オススメのエイジングケア美容ライフ 前月は「自然(生理的)老化」とそれを助長する要因である「酸化ストレス」「光老化」「糖化」について触れました。今回はそれらのケアに繋がるオススメの美容ライフについてお伝えします。年齢に伴う肌老化に抗うことはできません。ただ、個人差があるように、その老化スピードのコントロールにつながるライフスタイルのあり方として5つのポイントを取り上げます。 1.ストレスから肌を守り潤いをしっかり与えるスキンケア美肌の基本ともいえるクレンジング・洗顔は、マイルドな処方製品を選び、優しく洗いあげる習慣を身に付けましょう。正しいクレンジング・洗顔がその後の化粧水以降のステップのスキンケア製品の効能の発揮に繋がります。仕上げのジェルやクリームもステップから外さずことなく実行しましょう。化粧水・美容液効果に蓋をし、また、年齢とともに衰える皮脂分泌を補って外的ストレスから肌を守るバリア機能も強化してくれます。つまり、スキンケアを怠らないことが酸化ストレスからも肌を守り、自然(生理的)な肌老化をコントロールすることに繋がります。 2.美容を意識した食生活3食をしっかり摂り、偏食にならないバランスの良い食事は美容ライフとして欠かせません。 ごはん、パン、麺類などの炭水化物は「糖質」として生体活動のエネルギー源となりますが、余分な糖質は脂肪の基となったり糖化の引き金ともなるので摂り過ぎには禁物です。肉、魚、卵、乳製品などの「タンパク質」は、アミノ酸となって筋肉をはじめ、内臓などの成分となり、ホルモンや酵素、免疫細胞も作り出す優れものですので、肌細胞にとっても欠かせません。副菜として摂取される野菜、海藻などに豊富に含まれるビタミン、ミネラル、食物繊維は肌細胞の再生を助け腸内環境を整えてくれます。特に「抗酸化力」の高い成分を含む食材(※表1)を食事の中にバランス良く取り入れることが酸化ストレスによる老化予防に役立ちます。糖化ケアの視点では、味噌・納豆・ヨーグルトなどの発酵食品にはAGEs(最終糖化物質)の生成を阻害することが報告されており、食生活に習慣的に取り入れることがオススメです。また、食事の際にサラダなどの野菜から食すことで血糖値の急激な上昇を抑えることが報告されており、意識されてはどうでしょう? 表1 抗酸化成分を含む食材   3.運動習慣運動習慣は基礎代謝を高めるとともに糖化や肥満の要因となるブドウ糖を消化してくれます。食生活に習慣的に取り入れることがオススメです。 4.睡眠睡眠中には、一日の疲れを癒しカラダの再生する「メラトニン」と「成長ホルモン」という代謝や免疫機能を活性化するホルモンが分泌される重要な時間と言えます。寝不足が続くとAGEsの排出が阻害され、糖化も進んでしまいます。6時間以上の睡眠を確保しましょう。 5.光老化対策日焼け止めは、年間を通じて使用することを意識し、太陽光に直接肌が触れる機会を防ぐ工夫(日傘、サングラス、長袖お羽織など)など、光老化対策を徹底しましょう。 1年の締めくくりとしての振り返りと12月に意識したいスキンケアについてお届けしました。次回のテーマは「2024年のスキンケアカレンダー」をお伝えします。

秋本番。冬への備えのエイジングケア

秋本番。冬への備えのエイジングケア

本来、秋本番から晩秋に向かうはずの11月ですが、各地で夏日を記録する日が続いたり、季節外れで桜の開花が報道されたりと、植物たちにとっても季節を勘違いするような異例な気候状態が続いています。気温や湿度の変化は肌状態に密接に関わっていますので、今年の11月は例年とは異なるスキンケアへの取り組みが求められそうです。11月中旬以降には、本来の気候に戻ることを想定して、今回は冬への備えとしてのエイジングケアについてお届けしたいと思います。 2023年気候の特徴 過去10年間の東京の平均気温の推移を振り返ると、例年は16℃前後であるところが、今年(2023年)の平均気温は18.9℃に跳ね上がる結果となりました。猛暑の夏の影響を引きずるように、10月も25℃以上の夏日を12日も記録し、この傾向は11月に入っても続いています。湿度は平年並みの67%でしたので、気温のみが高い10月となりました。つまり、気温は高めでしたが湿度は着実に秋を深めていますので、乾燥の本番である冬に向かって季節が進んでいることは間違いありません。未だ、肌の乾燥を実感されていない方も多いかと思いますが、大気の乾燥とともに肌の乾燥が着実に進む時期ですので、乾燥を意識したスキンケアへのシフトが大切です。 冬への備えとして意識したいスキンケアのキーワード 冬への備えとしてのスキンケアは「保湿強化」と「バリア機能強化」の二つを意識しましょう。 1.保湿強化秋から冬にかけては、大気の乾燥という外的な環境に加えて、肌自身からの水蒸散量も上昇することから、内からも外からも乾燥が進む状況にあります。さらに、年を重ねるにつれ肌の潤いの源ともいえるNMF(天然保湿因子)の生成能力も衰えることから、乾燥の季節と相まって肌の乾燥が一気に進むこととなります。化粧品により、しっかりと肌に潤いを与えることが大切です。 2.バリア機能強化夏場に最も増える皮脂分泌は秋から冬にかけ一気に低下することがわかっています。皮脂は表皮の皮脂腺から分泌された皮脂がクリーム状になったもので角質層内の水分の蒸発を防ぎ、外からの様々なストレスから肌を守ります。この季節、皮脂分泌は減り続けるので、皮脂膜の機能低下を補う保湿クリームも欠かせません。 潤いを「与え、逃がさない」スキンケアに取り組むことで乾燥の冬に備えましょう。 エイジングケア 前月の『秋本番のスキンケア。紅葉にヒントあり!』では美容の観点からの「抗酸化」について触れましたが、今回はその続編ともいえる「エイジングケア」についてお伝えします。 エイジングケア、アンチエイジングとは?エイジング(=Aging)とは、「加齢」「老化」を意味する英語ですが、「あらがう」「ふせぐ」を意味するアンチ(=Ant)を加えることでアンチエイジング(=Anti+Aging)、つまり、「抗加齢」「抗老化」との意味になります。薬機法ではアンチエイジングとの用語は化粧品の効果効能としては使用できず、その代替としてエイジングケア(=年齢に応じたケア)との用語使いが一般的です。   1.自然(生理的)老化年齢に伴う生理的な老化を指します。ヒトは生まれた瞬間を100とすると細胞の再生能力は年齢を重ねるとともに低下し続けます。肌に関していえば、コラーゲンも保湿の源であるNMF(天然保湿因子)も加齢により生成能力が衰えることから、生理的老化を避けることはできません。この生理的老化を助長するその他の要因があり、結果として、肌老化の個人差にも繋がると考えられています。 2.生理的老化を助長する要因   ①酸化ストレス(活性酸素増)紫外線、放射線、大気汚染物質、たばこ、化学物質など酸化ストレスが原因で発生する酸化力の強い活性酸素(フリーラジカル)による身体の酸化現象を指します。活性酸素のターゲットはタンパク質、脂質、核酸、糖など広範囲であり、活性酸素により酸化された細胞分子は、正常な構造・機能を失うこととなり、結果、様々な疾病や肌老化の要因ともなります。 ②光老化太陽光線を長期間・無防備に浴びると肌の光老化がおこります。表皮では、B紫外線(UVB)の影響でメラニンをつくり肌を守るのですが、過剰な日焼けでメラニンが大量につくられるとしみの原因になります。真皮では、コラーゲンとエラスチンで肌の弾力が保たれているのですが、A紫外線(UVA)や近赤外線(NIR)を浴び続けるとコラーゲンとエラスチンは変性しシワ、たるみが生じることとなります。 ③糖化体内で消費し切れずに余ってしまった過剰な糖質は、体内のコラーゲンやエラスチンなどのタンパク質を結合・変性させてAGEs(Advanced Glycation End Product : 最終糖化物質)と呼ばれる、弾力の無い物質を生み出します。AGEsは分解・排出されにくく、蓄積されてゆき、肌老化だけでなく健康面でも美容面でも悪影響を及ぼします。 秋本番~晩秋の11月。「潤いを与え、逃がさない」冬への備えのスキンケアとエイジングケアについてお届けしました。次回のテーマは「1年の振り返り」をお伝えします。

秋本番。冬への備えのエイジングケア

本来、秋本番から晩秋に向かうはずの11月ですが、各地で夏日を記録する日が続いたり、季節外れで桜の開花が報道されたりと、植物たちにとっても季節を勘違いするような異例な気候状態が続いています。気温や湿度の変化は肌状態に密接に関わっていますので、今年の11月は例年とは異なるスキンケアへの取り組みが求められそうです。11月中旬以降には、本来の気候に戻ることを想定して、今回は冬への備えとしてのエイジングケアについてお届けしたいと思います。 2023年気候の特徴 過去10年間の東京の平均気温の推移を振り返ると、例年は16℃前後であるところが、今年(2023年)の平均気温は18.9℃に跳ね上がる結果となりました。猛暑の夏の影響を引きずるように、10月も25℃以上の夏日を12日も記録し、この傾向は11月に入っても続いています。湿度は平年並みの67%でしたので、気温のみが高い10月となりました。つまり、気温は高めでしたが湿度は着実に秋を深めていますので、乾燥の本番である冬に向かって季節が進んでいることは間違いありません。未だ、肌の乾燥を実感されていない方も多いかと思いますが、大気の乾燥とともに肌の乾燥が着実に進む時期ですので、乾燥を意識したスキンケアへのシフトが大切です。 冬への備えとして意識したいスキンケアのキーワード 冬への備えとしてのスキンケアは「保湿強化」と「バリア機能強化」の二つを意識しましょう。 1.保湿強化秋から冬にかけては、大気の乾燥という外的な環境に加えて、肌自身からの水蒸散量も上昇することから、内からも外からも乾燥が進む状況にあります。さらに、年を重ねるにつれ肌の潤いの源ともいえるNMF(天然保湿因子)の生成能力も衰えることから、乾燥の季節と相まって肌の乾燥が一気に進むこととなります。化粧品により、しっかりと肌に潤いを与えることが大切です。 2.バリア機能強化夏場に最も増える皮脂分泌は秋から冬にかけ一気に低下することがわかっています。皮脂は表皮の皮脂腺から分泌された皮脂がクリーム状になったもので角質層内の水分の蒸発を防ぎ、外からの様々なストレスから肌を守ります。この季節、皮脂分泌は減り続けるので、皮脂膜の機能低下を補う保湿クリームも欠かせません。 潤いを「与え、逃がさない」スキンケアに取り組むことで乾燥の冬に備えましょう。 エイジングケア 前月の『秋本番のスキンケア。紅葉にヒントあり!』では美容の観点からの「抗酸化」について触れましたが、今回はその続編ともいえる「エイジングケア」についてお伝えします。 エイジングケア、アンチエイジングとは?エイジング(=Aging)とは、「加齢」「老化」を意味する英語ですが、「あらがう」「ふせぐ」を意味するアンチ(=Ant)を加えることでアンチエイジング(=Anti+Aging)、つまり、「抗加齢」「抗老化」との意味になります。薬機法ではアンチエイジングとの用語は化粧品の効果効能としては使用できず、その代替としてエイジングケア(=年齢に応じたケア)との用語使いが一般的です。   1.自然(生理的)老化年齢に伴う生理的な老化を指します。ヒトは生まれた瞬間を100とすると細胞の再生能力は年齢を重ねるとともに低下し続けます。肌に関していえば、コラーゲンも保湿の源であるNMF(天然保湿因子)も加齢により生成能力が衰えることから、生理的老化を避けることはできません。この生理的老化を助長するその他の要因があり、結果として、肌老化の個人差にも繋がると考えられています。 2.生理的老化を助長する要因   ①酸化ストレス(活性酸素増)紫外線、放射線、大気汚染物質、たばこ、化学物質など酸化ストレスが原因で発生する酸化力の強い活性酸素(フリーラジカル)による身体の酸化現象を指します。活性酸素のターゲットはタンパク質、脂質、核酸、糖など広範囲であり、活性酸素により酸化された細胞分子は、正常な構造・機能を失うこととなり、結果、様々な疾病や肌老化の要因ともなります。 ②光老化太陽光線を長期間・無防備に浴びると肌の光老化がおこります。表皮では、B紫外線(UVB)の影響でメラニンをつくり肌を守るのですが、過剰な日焼けでメラニンが大量につくられるとしみの原因になります。真皮では、コラーゲンとエラスチンで肌の弾力が保たれているのですが、A紫外線(UVA)や近赤外線(NIR)を浴び続けるとコラーゲンとエラスチンは変性しシワ、たるみが生じることとなります。 ③糖化体内で消費し切れずに余ってしまった過剰な糖質は、体内のコラーゲンやエラスチンなどのタンパク質を結合・変性させてAGEs(Advanced Glycation End Product : 最終糖化物質)と呼ばれる、弾力の無い物質を生み出します。AGEsは分解・排出されにくく、蓄積されてゆき、肌老化だけでなく健康面でも美容面でも悪影響を及ぼします。 秋本番~晩秋の11月。「潤いを与え、逃がさない」冬への備えのスキンケアとエイジングケアについてお届けしました。次回のテーマは「1年の振り返り」をお伝えします。

秋本番のスキンケア。紅葉にヒントあり!

秋本番のスキンケア。紅葉にヒントあり!

ようやく猛暑の夏も終わり、一気に秋が深まりつつある日々となってきました。北海道の大雪山系では紅葉が進み、これから日本全国へと紅葉前線が南下してきます。植物学的に紅葉を紐解いてみると、夏から秋への季節の移行時期のスキンケアへのヒントが詰まっています。今回は「10月の美容ライフへのヒント」についてお届けしたいと思います。 紅葉のメカニズム 2023年紅葉見頃予想紅葉は気温変化、日照時間などがその時期や程度に密接に影響します。日本気象協会による今年の紅葉見頃予想によれば、9月の気温が全国的に平均より高くなり、傾向は10月も続くとの見込みから、今年の秋の紅葉の見頃は北日本は例年より遅く、東日本および西日本では例年並みか例年より遅くなると予想されています。   紅葉のメカニズム紅葉にはポリフェノールの一種でもある「アントシアニン」という天然色素が深く関わっています。春から夏にかけては「クロロフィル(葉緑素)」と呼ばれる緑色の色素が作られ、日光をエネルギーとして、根からとり入れた水と空気中の二酸化炭素から、でんぷんを作るとともに、酸素を出すという植物ならではの光合成という機能を発揮しています。落葉樹の葉は、秋から冬に向かってクロロフィルの分解が進み、葉に蓄えられた栄養が幹に回収され、来春にその栄養が再利用されるとのことです。一方、秋にはアントシアンの産出へ移行し、アントシアニンの割合が高まることで葉は赤く色付いてゆきます。この過程でアントシアンは日光の害から植物を守り、冬の落葉樹の休眠期間を支える働きがあるとされています。1日の最低気温が8℃を下回ると紅葉が進み、また、寒暖差が大きいとクロロフィルの分解が進み、紅葉の元とも言えるアントシアニンの生成が始まります。アントシアニンの生成には日光が必要であることから、日照も紅葉の条件の一つと言えます。つまり、最低気温8℃、寒暖差、日照が紅葉の3要素となります。秋の行楽シーズンで紅葉を楽しむ際には、この紅葉のメカニズムを知り、ベストのタイミング・場所を探索されてはいかがでしょう。 紅葉から学ぶ秋本番のスキンケア ヒトは冬眠はしませんが、肌も秋から冬にかけて肌代謝は衰えます。特に猛暑の夏を過ごした今年の肌は、夏肌ダメージが蓄積されている方も多く、紅葉が進むこの時期の寒暖差や減少し続ける湿度も相まって、乾燥がきっかけとなる肌トラブルが起こりやすい状態にあります。植物がアントシアニンという色素の力で栄養を幹に蓄えるように、代謝が衰え乾燥が進む冬を乗り越えるために、肌に栄養を与えるとの発想でのスキンケアが秋本番のこの時期には大切です。つまり、降り注ぐ太陽光から肌を守りながら、潤いを与える保湿ケアを強化し、エイジングケア効能のある美容液でしっかり肌に栄養を補給してあげましょう。 美容の観点からの「抗酸化」 酸化とは?酸化=老化です。化学工業の世界でも酸化防止剤=老化防止剤と呼ばれ、酸化による物質の劣化を防ぐ様々な添加剤が使用されています。酸素が化学結合することが酸化で、鉄が錆びる現象は酸素が結合して酸化鉄となった状態です。食品の場合では。酸化によって鮮度が落ち、品質・風味が損なわれるので、真空包装や脱酸素剤などにより食品の酸化を防いでいます。一方、大気中の約20%は酸素であり、ヒトを含む生物は酸素により生命活動を維持しています。酸素は必要不可欠なものでありながら老化や疾病の原因にもなるという悩ましいものです。 酸化ストレスと活性酸素活性酸素という言葉を聞いたことがあるかと思います。呼吸により体内に取り込まれた酸素の約30%程度が反応性の高い活性酸素に変化し、細胞間伝達物質や免疫機能として働きます。活性酸素自体にはこのような大切な機能があるのですが、過剰な産出はカラダの酸化(=老化)や細胞を痛めたり、様々な疾患をもたらす要因となることから、活性酸素には悪者イメージが定着しています。体内には活性酸素を防御する機能もあるのですが、活性酸素の過剰な産出につながり、自ら持っている活性酸素防御機能を阻害してしまう酸化ストレスを理解し、酸化ストレスを軽減する美容ライフを送ることが重要です。酸化ストレスの原因としては、紫外線、放射線、大気汚染、たばこ、薬剤などの外的な刺激物質に加え、過度な運動や心因的ストレスも酸化ストレスを引き起こす要因となります。   食生活からの抗酸化美容ライフ抗酸化を意識した美容ライフへ、まずは抗酸化作用のある食材の摂取がオススメです。実りの秋、食欲の秋ですので、食材に気を配った美容ライフに取り組んでみましょう。主なオススメの食材は次の通りです。【ビタミンC】緑黄色野菜(パプリカ・パセリ・ブロッコリー・青菜類など)、フルーツ(キウイフルーツ・いちご・かんきつ類など)【ビタミンE】植物油(ひまわり油・やし油・べに花油など)、種実類(ごま・アーモンド・ピーナッツなど)【ポリフェノール類】プルーン・りんご・赤ワイン・コーヒー・緑茶・紅茶など【ミネラル類】海藻類(わかめ・のり・昆布など)、魚介類(桜えび・うるめいわしなど)、納豆など【カロテノイド】緑黄色野菜やフルーツの黄色、オレンジ、赤色の色素成分。パプリカ、トマト、ホウレンソウ、ミカンなど 日ごろからバランスの取れた食事、適度な運動習慣ならびに十分な睡眠により抗酸化防御機構を良好に保ち、活性酸素の過剰な産出を抑制する美容ライフを送ることが重要となります。 「10月の美容ライフへのヒント」についてお届けしました!次回のテーマは「冬への備えのエイジングケア」をお伝えします。

秋本番のスキンケア。紅葉にヒントあり!

ようやく猛暑の夏も終わり、一気に秋が深まりつつある日々となってきました。北海道の大雪山系では紅葉が進み、これから日本全国へと紅葉前線が南下してきます。植物学的に紅葉を紐解いてみると、夏から秋への季節の移行時期のスキンケアへのヒントが詰まっています。今回は「10月の美容ライフへのヒント」についてお届けしたいと思います。 紅葉のメカニズム 2023年紅葉見頃予想紅葉は気温変化、日照時間などがその時期や程度に密接に影響します。日本気象協会による今年の紅葉見頃予想によれば、9月の気温が全国的に平均より高くなり、傾向は10月も続くとの見込みから、今年の秋の紅葉の見頃は北日本は例年より遅く、東日本および西日本では例年並みか例年より遅くなると予想されています。   紅葉のメカニズム紅葉にはポリフェノールの一種でもある「アントシアニン」という天然色素が深く関わっています。春から夏にかけては「クロロフィル(葉緑素)」と呼ばれる緑色の色素が作られ、日光をエネルギーとして、根からとり入れた水と空気中の二酸化炭素から、でんぷんを作るとともに、酸素を出すという植物ならではの光合成という機能を発揮しています。落葉樹の葉は、秋から冬に向かってクロロフィルの分解が進み、葉に蓄えられた栄養が幹に回収され、来春にその栄養が再利用されるとのことです。一方、秋にはアントシアンの産出へ移行し、アントシアニンの割合が高まることで葉は赤く色付いてゆきます。この過程でアントシアンは日光の害から植物を守り、冬の落葉樹の休眠期間を支える働きがあるとされています。1日の最低気温が8℃を下回ると紅葉が進み、また、寒暖差が大きいとクロロフィルの分解が進み、紅葉の元とも言えるアントシアニンの生成が始まります。アントシアニンの生成には日光が必要であることから、日照も紅葉の条件の一つと言えます。つまり、最低気温8℃、寒暖差、日照が紅葉の3要素となります。秋の行楽シーズンで紅葉を楽しむ際には、この紅葉のメカニズムを知り、ベストのタイミング・場所を探索されてはいかがでしょう。 紅葉から学ぶ秋本番のスキンケア ヒトは冬眠はしませんが、肌も秋から冬にかけて肌代謝は衰えます。特に猛暑の夏を過ごした今年の肌は、夏肌ダメージが蓄積されている方も多く、紅葉が進むこの時期の寒暖差や減少し続ける湿度も相まって、乾燥がきっかけとなる肌トラブルが起こりやすい状態にあります。植物がアントシアニンという色素の力で栄養を幹に蓄えるように、代謝が衰え乾燥が進む冬を乗り越えるために、肌に栄養を与えるとの発想でのスキンケアが秋本番のこの時期には大切です。つまり、降り注ぐ太陽光から肌を守りながら、潤いを与える保湿ケアを強化し、エイジングケア効能のある美容液でしっかり肌に栄養を補給してあげましょう。 美容の観点からの「抗酸化」 酸化とは?酸化=老化です。化学工業の世界でも酸化防止剤=老化防止剤と呼ばれ、酸化による物質の劣化を防ぐ様々な添加剤が使用されています。酸素が化学結合することが酸化で、鉄が錆びる現象は酸素が結合して酸化鉄となった状態です。食品の場合では。酸化によって鮮度が落ち、品質・風味が損なわれるので、真空包装や脱酸素剤などにより食品の酸化を防いでいます。一方、大気中の約20%は酸素であり、ヒトを含む生物は酸素により生命活動を維持しています。酸素は必要不可欠なものでありながら老化や疾病の原因にもなるという悩ましいものです。 酸化ストレスと活性酸素活性酸素という言葉を聞いたことがあるかと思います。呼吸により体内に取り込まれた酸素の約30%程度が反応性の高い活性酸素に変化し、細胞間伝達物質や免疫機能として働きます。活性酸素自体にはこのような大切な機能があるのですが、過剰な産出はカラダの酸化(=老化)や細胞を痛めたり、様々な疾患をもたらす要因となることから、活性酸素には悪者イメージが定着しています。体内には活性酸素を防御する機能もあるのですが、活性酸素の過剰な産出につながり、自ら持っている活性酸素防御機能を阻害してしまう酸化ストレスを理解し、酸化ストレスを軽減する美容ライフを送ることが重要です。酸化ストレスの原因としては、紫外線、放射線、大気汚染、たばこ、薬剤などの外的な刺激物質に加え、過度な運動や心因的ストレスも酸化ストレスを引き起こす要因となります。   食生活からの抗酸化美容ライフ抗酸化を意識した美容ライフへ、まずは抗酸化作用のある食材の摂取がオススメです。実りの秋、食欲の秋ですので、食材に気を配った美容ライフに取り組んでみましょう。主なオススメの食材は次の通りです。【ビタミンC】緑黄色野菜(パプリカ・パセリ・ブロッコリー・青菜類など)、フルーツ(キウイフルーツ・いちご・かんきつ類など)【ビタミンE】植物油(ひまわり油・やし油・べに花油など)、種実類(ごま・アーモンド・ピーナッツなど)【ポリフェノール類】プルーン・りんご・赤ワイン・コーヒー・緑茶・紅茶など【ミネラル類】海藻類(わかめ・のり・昆布など)、魚介類(桜えび・うるめいわしなど)、納豆など【カロテノイド】緑黄色野菜やフルーツの黄色、オレンジ、赤色の色素成分。パプリカ、トマト、ホウレンソウ、ミカンなど 日ごろからバランスの取れた食事、適度な運動習慣ならびに十分な睡眠により抗酸化防御機構を良好に保ち、活性酸素の過剰な産出を抑制する美容ライフを送ることが重要となります。 「10月の美容ライフへのヒント」についてお届けしました!次回のテーマは「冬への備えのエイジングケア」をお伝えします。

夏肌疲れを癒す、初秋のスキンケア

夏肌疲れを癒す、初秋のスキンケア

全国的に猛暑日日数の記録更新が続いており、猛暑の夏が終わりを見せない2023年9月のスタートとなりました。初秋は、いつ実感できるのでしょうか?9月後半あたりから初秋に移行するであろうと予想し、今回は初秋に意識し取り組んで欲しい「夏肌疲れを癒すスキンケア」についてお届けしたいと思います。 夏肌疲れを理解する 9月に突入しても猛暑が続いており、例年以上に猛暑による夏肌疲れが進行・蓄積しかねない状況と言えるのではないでしょうか?まずは、お肌の夏バテと言える「夏肌疲れ状態」を理解しましょう。   高温・多湿・発汗発汗や皮脂汚れが、毛穴を目立たせたり、ニキビを発症したり、肌のターンオーバーまでも乱れさせ、様々な肌トラブルへと繋がります。 冷房による乾燥、気温差ストレス家でも、電車でも、会社でも冷房・・・外は多湿なのに、室内・車内は極端な乾燥状態です。夏を過ごしたお肌は、自覚症状がなくても乾燥が進行し、また、気温差ストレスは肌のターンオーバーを乱れさせさまざまな肌トラブル引き起こします。 太陽光紫外線によるシミ・くすみ、シワ、近赤外線によるタルミなどの肌老化は、気づかぬうちに進行していると言えます。夏が過ぎると太陽光への警戒感も薄れがちですが、年間を通じて光老化対策は意識すべきです。 夏肌疲れを癒すスキンケア 素肌力を保つクレンジング・洗顔発汗が皮脂汚れやメイク汚れと混ざり、ニキビ、肌荒れ、毛穴目立ちを誘発し、肌状態を不健康なものとしてしまいます。丁寧かつ優しく、これらの汚れを洗い上げることが素肌力を保つことに繋がります。クレンジング・洗顔後のスキンケアステップの効果をしっかり出すためにも、起床時そして帰宅時2回のWクレンジング・洗顔を心がけてください。正しいクレンジング・洗顔がスキンケア製品全般の効果をしっかり発揮させることにつながります。 くすみ・シミへの対処クレンジング・洗顔後は保湿力の高い化粧水で肌を整え、美白やブライトニング系の美容液でしっかりケアし、くすみの原因に対処するスキンケアを意識しましょう。発汗による肌汚れ、寒暖差ストレス、そして太陽光がくすみやシミの複合要因となります。夏肌疲れの特徴とも言えるくすみやシミのケアは、この時期必須であると認識し、取り組みましょう。 エイジングケア猛暑から初秋へ移行し始めると、大気の湿度は減少し始め、一方、肌からの水分蒸散量も上昇し始めます。この時期にカサツキを感じたら、ゴワツキ・シワ・たるみなどの老化サインへと進行する序章かもしれず、秋~冬の乾燥の季節に更に肌のエイジングが加速しかねません。その対処として有効なのは保湿強化です。フェイスマスクでしっかりと肌を癒し、ジェルやクリームの本格使用を開始しましょう。 美容の観点からのビタミンとミネラル 前月の『猛暑の夏本番。肌の熱中症・夏バテ対策を!』で触れたビタミンとミネラルについて美容の観点から、食生活も絡めながらさらに掘り下げてお伝えします。1.日本人女性の摂取が不足している美容系ビタミン 厚生労働省調査による日本人女性のビタミン平均摂取量によれば、ビタミンA、B1、B2、B6およびCの摂取が不足してるとされています。せっかく頑張ったスキンケアも美容系ビタミンが不足していては効果も半減してしまいます。健康であることは美肌の基本!不足しがちな美容系ビタミンの食生活からの摂取やサプリメントでの補充を意識しましょう必須ミネラルは、骨や歯の形成、タンパク質の生成、代謝の促進など、必要量は微量でありながら、私たちのカラダの維持・形成に欠かせない栄養素です。美容の観点では、亜鉛、カルシウム、マグネシウム、銅、鉄、カリウム、マンガンをバランスよく摂取することが必要です。 2.美容と関連深い主要ミネラルビタミンに比べ美容へのミネラルの意識は高いとは言えないと思われます。ビタミンとともに美容と健康に欠かせない主要ミネラルについて説明します。是非、これらミネラルの摂取についても意識しましょう。 ①亜鉛(Zn)細胞内代謝機能に重要な働きを示し、亜鉛不足で細胞の代謝が低下すると、肌荒れなど肌不調に繋がることがわかっています。新たな細胞を生成する際のDNAの複製、タンパク質の合成などにも関わっています。特に、日本人は摂取量が不足しがちなミネラルです。<Zn豊富な食品>牡蠣、牛肉 ②カルシウム(Ca)カルシウムの主な働きは神経の伝達や筋肉の収縮で、不足した場合には疲れやすくなったり、肌のハリや弾力が失われやすくなります。カルシウムは骨や歯の主成分でもあり、体内で最も豊富なミネラルですが、不足すると骨や歯といった貯蔵部位から補充されることになるので骨や歯のカルシウム分が失われ疾病にもつながります。<Ca豊富な食品>魚介類、海藻、牛乳 ③マグネシウム(Mg)体内のエネルギー生成に密接に関わっているミネラルです。エネルギー生成はブドウ糖を細胞内で代謝の際に生まれるATP(アデノシン三リン酸)が主たる役割を果たしていますが、このATPが作られる過程で様々な酵素の活性にマグネシウムが欠かせないとされています。細胞代謝=若々しい肌の維持をつかさどる基本ですので、マグネシウムは肌に欠かせない、ミネラルと言えます。<Mg豊富な食品>そば、わかめ ④銅(Cu)体内の過酸化脂質の除去・抑制にかかわる酵素の成分となるミネラルです。不足すると動脈硬化や老化に繋がるとされています。<Cu豊富な食品>ココア、くるみ ⑤鉄(Fe)赤血球の中に存在し、酸素を運ぶヘモグロビンの構成要素となるミネラルです。不足すると貧血を起こし、血液によるカラダへの酸素の供給に影響し、細胞代謝を阻害することに繋がります。<Fe豊富な食品>レバー類、納豆 ⑥カリウム(K)細胞内液の浸透圧を調整する働きや、水分を保持する働きを持っています。また、ナトリウムを排出する作用を持っているので、塩分の摂り過ぎを調節することにも働きます。<Fe豊富な食品>バナナ、里芋 ⑦マンガン(Mn)色々な酵素の構成成分に利用されたり、酵素の活性化に役立つ栄養素です。また、骨の形成に関わっていたり、糖質や脂質の代謝に働く酵素、抗酸化作用のある酵素などの構成成分になることから、人間の成長にとても重要な栄養素と言えます。<Fe豊富な食品>まつの実、生姜 「初秋のスキンケア」についてお届けしました!次回のテーマは「秋本番のスキンケア」をお伝えします。

夏肌疲れを癒す、初秋のスキンケア

全国的に猛暑日日数の記録更新が続いており、猛暑の夏が終わりを見せない2023年9月のスタートとなりました。初秋は、いつ実感できるのでしょうか?9月後半あたりから初秋に移行するであろうと予想し、今回は初秋に意識し取り組んで欲しい「夏肌疲れを癒すスキンケア」についてお届けしたいと思います。 夏肌疲れを理解する 9月に突入しても猛暑が続いており、例年以上に猛暑による夏肌疲れが進行・蓄積しかねない状況と言えるのではないでしょうか?まずは、お肌の夏バテと言える「夏肌疲れ状態」を理解しましょう。   高温・多湿・発汗発汗や皮脂汚れが、毛穴を目立たせたり、ニキビを発症したり、肌のターンオーバーまでも乱れさせ、様々な肌トラブルへと繋がります。 冷房による乾燥、気温差ストレス家でも、電車でも、会社でも冷房・・・外は多湿なのに、室内・車内は極端な乾燥状態です。夏を過ごしたお肌は、自覚症状がなくても乾燥が進行し、また、気温差ストレスは肌のターンオーバーを乱れさせさまざまな肌トラブル引き起こします。 太陽光紫外線によるシミ・くすみ、シワ、近赤外線によるタルミなどの肌老化は、気づかぬうちに進行していると言えます。夏が過ぎると太陽光への警戒感も薄れがちですが、年間を通じて光老化対策は意識すべきです。 夏肌疲れを癒すスキンケア 素肌力を保つクレンジング・洗顔発汗が皮脂汚れやメイク汚れと混ざり、ニキビ、肌荒れ、毛穴目立ちを誘発し、肌状態を不健康なものとしてしまいます。丁寧かつ優しく、これらの汚れを洗い上げることが素肌力を保つことに繋がります。クレンジング・洗顔後のスキンケアステップの効果をしっかり出すためにも、起床時そして帰宅時2回のWクレンジング・洗顔を心がけてください。正しいクレンジング・洗顔がスキンケア製品全般の効果をしっかり発揮させることにつながります。 くすみ・シミへの対処クレンジング・洗顔後は保湿力の高い化粧水で肌を整え、美白やブライトニング系の美容液でしっかりケアし、くすみの原因に対処するスキンケアを意識しましょう。発汗による肌汚れ、寒暖差ストレス、そして太陽光がくすみやシミの複合要因となります。夏肌疲れの特徴とも言えるくすみやシミのケアは、この時期必須であると認識し、取り組みましょう。 エイジングケア猛暑から初秋へ移行し始めると、大気の湿度は減少し始め、一方、肌からの水分蒸散量も上昇し始めます。この時期にカサツキを感じたら、ゴワツキ・シワ・たるみなどの老化サインへと進行する序章かもしれず、秋~冬の乾燥の季節に更に肌のエイジングが加速しかねません。その対処として有効なのは保湿強化です。フェイスマスクでしっかりと肌を癒し、ジェルやクリームの本格使用を開始しましょう。 美容の観点からのビタミンとミネラル 前月の『猛暑の夏本番。肌の熱中症・夏バテ対策を!』で触れたビタミンとミネラルについて美容の観点から、食生活も絡めながらさらに掘り下げてお伝えします。1.日本人女性の摂取が不足している美容系ビタミン 厚生労働省調査による日本人女性のビタミン平均摂取量によれば、ビタミンA、B1、B2、B6およびCの摂取が不足してるとされています。せっかく頑張ったスキンケアも美容系ビタミンが不足していては効果も半減してしまいます。健康であることは美肌の基本!不足しがちな美容系ビタミンの食生活からの摂取やサプリメントでの補充を意識しましょう必須ミネラルは、骨や歯の形成、タンパク質の生成、代謝の促進など、必要量は微量でありながら、私たちのカラダの維持・形成に欠かせない栄養素です。美容の観点では、亜鉛、カルシウム、マグネシウム、銅、鉄、カリウム、マンガンをバランスよく摂取することが必要です。 2.美容と関連深い主要ミネラルビタミンに比べ美容へのミネラルの意識は高いとは言えないと思われます。ビタミンとともに美容と健康に欠かせない主要ミネラルについて説明します。是非、これらミネラルの摂取についても意識しましょう。 ①亜鉛(Zn)細胞内代謝機能に重要な働きを示し、亜鉛不足で細胞の代謝が低下すると、肌荒れなど肌不調に繋がることがわかっています。新たな細胞を生成する際のDNAの複製、タンパク質の合成などにも関わっています。特に、日本人は摂取量が不足しがちなミネラルです。<Zn豊富な食品>牡蠣、牛肉 ②カルシウム(Ca)カルシウムの主な働きは神経の伝達や筋肉の収縮で、不足した場合には疲れやすくなったり、肌のハリや弾力が失われやすくなります。カルシウムは骨や歯の主成分でもあり、体内で最も豊富なミネラルですが、不足すると骨や歯といった貯蔵部位から補充されることになるので骨や歯のカルシウム分が失われ疾病にもつながります。<Ca豊富な食品>魚介類、海藻、牛乳 ③マグネシウム(Mg)体内のエネルギー生成に密接に関わっているミネラルです。エネルギー生成はブドウ糖を細胞内で代謝の際に生まれるATP(アデノシン三リン酸)が主たる役割を果たしていますが、このATPが作られる過程で様々な酵素の活性にマグネシウムが欠かせないとされています。細胞代謝=若々しい肌の維持をつかさどる基本ですので、マグネシウムは肌に欠かせない、ミネラルと言えます。<Mg豊富な食品>そば、わかめ ④銅(Cu)体内の過酸化脂質の除去・抑制にかかわる酵素の成分となるミネラルです。不足すると動脈硬化や老化に繋がるとされています。<Cu豊富な食品>ココア、くるみ ⑤鉄(Fe)赤血球の中に存在し、酸素を運ぶヘモグロビンの構成要素となるミネラルです。不足すると貧血を起こし、血液によるカラダへの酸素の供給に影響し、細胞代謝を阻害することに繋がります。<Fe豊富な食品>レバー類、納豆 ⑥カリウム(K)細胞内液の浸透圧を調整する働きや、水分を保持する働きを持っています。また、ナトリウムを排出する作用を持っているので、塩分の摂り過ぎを調節することにも働きます。<Fe豊富な食品>バナナ、里芋 ⑦マンガン(Mn)色々な酵素の構成成分に利用されたり、酵素の活性化に役立つ栄養素です。また、骨の形成に関わっていたり、糖質や脂質の代謝に働く酵素、抗酸化作用のある酵素などの構成成分になることから、人間の成長にとても重要な栄養素と言えます。<Fe豊富な食品>まつの実、生姜 「初秋のスキンケア」についてお届けしました!次回のテーマは「秋本番のスキンケア」をお伝えします。

猛暑の夏本番。肌の熱中症・夏バテ対策を!

猛暑の夏本番。肌の熱中症・夏バテ対策を!

梅雨明け後、最高気温35℃を超える猛暑日が連日続いている状況です。また、コロナも5類へ変更となり、全国各地でお祭り、花火大会などのイベントが4年ぶりの開催で盛り上がっています。コロナを克服したわけでは無いのですが、インフルエンザ並みの扱いとなり、日々マスクを外している人が増えているように感じます。旧暦では、8月8日が「立秋」で、古くからの日本の手紙の文面では、8月7日までが暑中お見舞い、8月8日以降は残暑お見舞いと書き分けることとなっていますが、猛暑はしばらく続きそうなので、この書き分けも現実に即したものにすべきでしょう。美容の面では、猛暑の夏は過酷極まりないものです。今回は「猛暑の夏の美容ライフ」についてお届けしたいと思います。 猛暑の夏本番、肌も熱中症に注意! 連日、熱中症のニュースが溢れています。まず、熱中症について整理してみましょう。かつては、日射病とか熱射病など様々な言われ方をしていましたが、現在では熱中症として括られています。体温が上がり、体内の水分や塩分のバランスが崩れたり、体温の調節機能が働かなくなったりして、体温の上昇やめまい、けいれん、頭痛などの様々な症状を起こす病気のことです。具体的には、高温であるだけでなく高い湿度環境が加わることで、立ちくらみ、大量の発汗、頭痛、気分の不快、吐き気、嘔吐、倦怠感、虚脱感などの症状を発症します、重度の場合には意識障害、けいれん、手足の運動障害、高体温状態となり命の危険にも晒されます。   猛暑環境が肌にもたらすもの熱中症の症状がなくても、猛暑環境は、肌にとっても悪影響をもたらします。言わば肌の熱中症と形容しても良いのではないでしょうか?・ 発汗による肌水分排出による乾燥・ 発汗とともにビタミン・ミネラル流出による栄養素不足・ 発汗による肌汚れ・ 暑さとエアコンの冷えによる寒暖差による代謝不良・ 直射日光による光老化このような状態を放置しておくと、肌は夏バテ状態に陥り、くすみ、シミ、肌荒れ、シワ、たるみなどの肌トラブルを助長するばかりでなく、肌老化も促進してしまうことに。 肌の熱中症・夏バテ対策熱中症予防対策が、そのまま肌にとっても有効と言えます。次のような対策を意識したスキンケアライフを送りましょう。・ 発汗対策として、発汗には体温調節という大切な役割がありますので、発汗を防止するのではなく、発汗することをポジティブに捉え、発汗した後に肌表面の体温が下がったことを確認してから、汗を拭き取る、あるいは洗顔やシャワーで洗い流しましょう。・ 寒暖差対策が必要です。アウトドアでは暑さや日差しを避けることを意識しましょう。室内では、羽織りものでの冷え対策をしてください。・ 直射日光対策としての帽子・日傘などの利用も必須とお考えください。 汗とともに流出し不足しがちになってしまう栄養素ビタミンとミネラル 栄養素としてのビタミン、ミネラルとは?ビタミン、ミネラルとは、5大栄養素(タンパク質、炭水化物(糖質)、脂質、ビタミン、ミネラル)の内の1つです。ビタミン、ミネラルともに、体で生成することが出来ず、外から摂取しなければならない補酵素的な栄養素です。サプリメントで補うことも出来ますが、食生活を通じて摂取することが基本となります。 ビタミンの基礎知識ビタミンには、水溶性のビタミン9種類、脂溶性ビタミン4種類の計13種類があります。他のビタミンは単体ですが、ビタミンB群だけが、“群”としてグループ表現されています。1つのビタミンとして発見され、その後、複数のビタミンが混ざったものとして研究が進んだとの経緯によるものです。過去にビタミンとして研究されたビタミン様物質なる物質が多々ありますが、現在、ビタミンとして分類されているのは13種類のみです。この内、美容に深い関わりを持つビタミンA/C/EおよびB群について説明します。 ①ビタミンA別名レチノールと呼ばれ、発育促進や健康維持の作用を発揮する意味で「抗酸化ビタミン」の一つです。②ビタミンC美容ビタミンの代表格です。コラーゲンの生成をサポートするだけでなく、メラニンの生成を抑える作用により、化粧品配合の美白成分としてのビタミンCの誘導体は有名です。③ビタミンE別名トコフェノールと呼ばれ、体内の脂質の酸化を防いてくれる抗酸化ビタミンの一つです。ビタミンA,C,Eは3大抗酸化ビタミンの代表格で、総称してビタミンACE(エース)と呼ばれることもあります。④ビタミンB群ビタミンB1, B2, B6, など..多種類があり総称してビタミンB群と呼ばれます。総じて、皮膚・粘膜の健康維持に作用する他、それぞれ次の様な特徴的な作用を合わせ持っています。ビタミンB1・・・ 疲労回復ビタミンB2・・・ 代謝維持ビタミンB6・・・ 皮膚炎予防、口内炎予防 ミネラルの基礎知識ミネラルは、約100種類ほどあると言われていますが、私たち人間のカラダに必要なミネラルは16種類と言れており、それらを「必須ミネラル」と呼びます。具体的には、カルシウム、リン、カリウム、硫黄、塩素、ナトリウム、マグネシウム、鉄、亜鉛、銅、マンガン、クロム、ヨウ素、セレン、モリブデン、コバルトの16種類です。 これら16種類の必須ミネラルは、その必要量に応じて、主要ミネラルと微量ミネラルに分類されています。主要ミネラルは、カルシウム、リン、カリウム、硫黄、塩素、ナトリウム、マグネシウムの7種類とされ、微量ミネラルは、鉄、亜鉛、銅、マンガン、クロム、ヨウ素、セレン、モリブデン、コバルトの9種類とされています。 必須ミネラルは、骨や歯の形成、タンパク質の生成、代謝の促進など、必要量は微量でありながら、私たちのカラダの維持・形成に欠かせない栄養素です。美容の観点では、亜鉛、カルシウム、マグネシウム、銅、鉄、カリウム、マンガンをバランスよく摂取することが必要です。 ビタミン、ミネラルともに外から摂取せねばならない栄養素で、この時期、発汗により排出されることで不足しがちになることから、美容の面で意識して補うことが大切です。「猛暑の夏本番!熱中症、夏バテ対策に着目したスキンケアライフ」についてお届けしました!次回のテーマは「初秋のスキンケア」をお伝えします。

猛暑の夏本番。肌の熱中症・夏バテ対策を!

梅雨明け後、最高気温35℃を超える猛暑日が連日続いている状況です。また、コロナも5類へ変更となり、全国各地でお祭り、花火大会などのイベントが4年ぶりの開催で盛り上がっています。コロナを克服したわけでは無いのですが、インフルエンザ並みの扱いとなり、日々マスクを外している人が増えているように感じます。旧暦では、8月8日が「立秋」で、古くからの日本の手紙の文面では、8月7日までが暑中お見舞い、8月8日以降は残暑お見舞いと書き分けることとなっていますが、猛暑はしばらく続きそうなので、この書き分けも現実に即したものにすべきでしょう。美容の面では、猛暑の夏は過酷極まりないものです。今回は「猛暑の夏の美容ライフ」についてお届けしたいと思います。 猛暑の夏本番、肌も熱中症に注意! 連日、熱中症のニュースが溢れています。まず、熱中症について整理してみましょう。かつては、日射病とか熱射病など様々な言われ方をしていましたが、現在では熱中症として括られています。体温が上がり、体内の水分や塩分のバランスが崩れたり、体温の調節機能が働かなくなったりして、体温の上昇やめまい、けいれん、頭痛などの様々な症状を起こす病気のことです。具体的には、高温であるだけでなく高い湿度環境が加わることで、立ちくらみ、大量の発汗、頭痛、気分の不快、吐き気、嘔吐、倦怠感、虚脱感などの症状を発症します、重度の場合には意識障害、けいれん、手足の運動障害、高体温状態となり命の危険にも晒されます。   猛暑環境が肌にもたらすもの熱中症の症状がなくても、猛暑環境は、肌にとっても悪影響をもたらします。言わば肌の熱中症と形容しても良いのではないでしょうか?・ 発汗による肌水分排出による乾燥・ 発汗とともにビタミン・ミネラル流出による栄養素不足・ 発汗による肌汚れ・ 暑さとエアコンの冷えによる寒暖差による代謝不良・ 直射日光による光老化このような状態を放置しておくと、肌は夏バテ状態に陥り、くすみ、シミ、肌荒れ、シワ、たるみなどの肌トラブルを助長するばかりでなく、肌老化も促進してしまうことに。 肌の熱中症・夏バテ対策熱中症予防対策が、そのまま肌にとっても有効と言えます。次のような対策を意識したスキンケアライフを送りましょう。・ 発汗対策として、発汗には体温調節という大切な役割がありますので、発汗を防止するのではなく、発汗することをポジティブに捉え、発汗した後に肌表面の体温が下がったことを確認してから、汗を拭き取る、あるいは洗顔やシャワーで洗い流しましょう。・ 寒暖差対策が必要です。アウトドアでは暑さや日差しを避けることを意識しましょう。室内では、羽織りものでの冷え対策をしてください。・ 直射日光対策としての帽子・日傘などの利用も必須とお考えください。 汗とともに流出し不足しがちになってしまう栄養素ビタミンとミネラル 栄養素としてのビタミン、ミネラルとは?ビタミン、ミネラルとは、5大栄養素(タンパク質、炭水化物(糖質)、脂質、ビタミン、ミネラル)の内の1つです。ビタミン、ミネラルともに、体で生成することが出来ず、外から摂取しなければならない補酵素的な栄養素です。サプリメントで補うことも出来ますが、食生活を通じて摂取することが基本となります。 ビタミンの基礎知識ビタミンには、水溶性のビタミン9種類、脂溶性ビタミン4種類の計13種類があります。他のビタミンは単体ですが、ビタミンB群だけが、“群”としてグループ表現されています。1つのビタミンとして発見され、その後、複数のビタミンが混ざったものとして研究が進んだとの経緯によるものです。過去にビタミンとして研究されたビタミン様物質なる物質が多々ありますが、現在、ビタミンとして分類されているのは13種類のみです。この内、美容に深い関わりを持つビタミンA/C/EおよびB群について説明します。 ①ビタミンA別名レチノールと呼ばれ、発育促進や健康維持の作用を発揮する意味で「抗酸化ビタミン」の一つです。②ビタミンC美容ビタミンの代表格です。コラーゲンの生成をサポートするだけでなく、メラニンの生成を抑える作用により、化粧品配合の美白成分としてのビタミンCの誘導体は有名です。③ビタミンE別名トコフェノールと呼ばれ、体内の脂質の酸化を防いてくれる抗酸化ビタミンの一つです。ビタミンA,C,Eは3大抗酸化ビタミンの代表格で、総称してビタミンACE(エース)と呼ばれることもあります。④ビタミンB群ビタミンB1, B2, B6, など..多種類があり総称してビタミンB群と呼ばれます。総じて、皮膚・粘膜の健康維持に作用する他、それぞれ次の様な特徴的な作用を合わせ持っています。ビタミンB1・・・ 疲労回復ビタミンB2・・・ 代謝維持ビタミンB6・・・ 皮膚炎予防、口内炎予防 ミネラルの基礎知識ミネラルは、約100種類ほどあると言われていますが、私たち人間のカラダに必要なミネラルは16種類と言れており、それらを「必須ミネラル」と呼びます。具体的には、カルシウム、リン、カリウム、硫黄、塩素、ナトリウム、マグネシウム、鉄、亜鉛、銅、マンガン、クロム、ヨウ素、セレン、モリブデン、コバルトの16種類です。 これら16種類の必須ミネラルは、その必要量に応じて、主要ミネラルと微量ミネラルに分類されています。主要ミネラルは、カルシウム、リン、カリウム、硫黄、塩素、ナトリウム、マグネシウムの7種類とされ、微量ミネラルは、鉄、亜鉛、銅、マンガン、クロム、ヨウ素、セレン、モリブデン、コバルトの9種類とされています。 必須ミネラルは、骨や歯の形成、タンパク質の生成、代謝の促進など、必要量は微量でありながら、私たちのカラダの維持・形成に欠かせない栄養素です。美容の観点では、亜鉛、カルシウム、マグネシウム、銅、鉄、カリウム、マンガンをバランスよく摂取することが必要です。 ビタミン、ミネラルともに外から摂取せねばならない栄養素で、この時期、発汗により排出されることで不足しがちになることから、美容の面で意識して補うことが大切です。「猛暑の夏本番!熱中症、夏バテ対策に着目したスキンケアライフ」についてお届けしました!次回のテーマは「初秋のスキンケア」をお伝えします。

肌の夏バテへ備えるスキンケア

肌の夏バテへ備えるスキンケア

昨年2022年は、観測統計史上最も早く関東・東海・九州南部で6月中に梅雨明けが発表され、7月に入り連日の猛暑となりました。今年の梅雨明けはいつ頃になるのでしょうか?温暖化の影響であるのか、「梅雨」のイメージもかなり変わってきている印象ですが、梅雨明け後の7月は、肌にとって過酷な環境が襲いますので、肌の夏バテへの備えを意識したスキンケアへの取り組みが求められます。今回は「梅雨明け後のスキンケア」に焦点を当てたいと思います。 梅雨明け後、7月の肌環境を理解しよう!   梅雨明けを境に、7月の肌環境は過酷なものとなります。夏本番へ突入しますので外気は高温・多湿、一方でエアコン環境下の室内・車内は乾燥・低温という湿度・温度の変化が肌にストレスを与えます。また、皮脂分泌が増える時期に加え、発汗を伴う環境となりますので、メイク汚れと肌汚れが混ざり合った汚れが肌荒れやニキビなどの吹き出物を誘発し、肌自体の抵抗力も衰えさせます。冷房による冷えは、血行不良の原因となり、肌代謝を乱れさせます。追い打ちをかけるように、強烈な紫外線が肌の直接的な日焼けに加え肌老化を促進してしまいます。つまり、高温・多湿、低温・乾燥、発汗、血行不良、紫外線…と肌トラブルを誘発する厳しい環境のオンパレードとなるのが7月です。 肌の夏バテへ備える美容ライフ   1.湿度・温度変化、血行不良への備え湿度・温度変化が一日の中でも何度も繰り返す肌環境に対しては、乾燥対策とバリア機能強化を意識したスキンケア製品を取り入れることで、肌自体の抵抗力を高め、代謝不良に陥らない備えが必要です。 2.発汗による肌汚れへの備え日中の発汗に加え、就寝中の発汗も肌にとっては大敵です。一方で、発汗のメリットも損なうことなく、水分は充分に補給しながら熱中症対策も行い、汗を小まめにふき取りましょう。帰宅時や起床時のクレンジング・洗顔で、肌汚れに起因する肌トラブルに備えてください。 3.紫外線への備え日焼け止めが塗り足らない人が殆どであることがわかっています。日焼け防止のために肌を露出させない工夫に加えて、UVケア製品の日中での塗り足し、塗り直しを是非習慣化してください。怖いのは、すぐには感じることのできない、光老化です。 過酷な夏の美容ライフに「香り=アロマテラピー」を取り入れる 7月は内と外の寒暖差によって心身の変化も気になる時期です。毎日を楽しく、豊かに、健康に過ごすために「香り」を取り入れてみるのはいかがでしょうか。香りが心身にポジティブな影響を与えることは事実ですので、暮らしの中に「香り」を取り入れることは美容と健康の観点でもプラスです。「香気療法」と訳されるアロマテラピーですが、精油((エッセンシャルオイル)に代表されるいわゆる「五感」の中の「嗅覚」を通じて「香りの力」が心身に与える影響を利用した植物療法の一つとなります。ヨーロッパでは医学療法の一つとして体系化されていますが、日本では、アロマテラピーの資格は公的なものでは無いので、一般的には趣味の域にとどまっているというのが実態です。医師が医療の一つとして用いることは認められています。 精油とは?植物の花、葉、果皮、果実、種子、樹皮などから抽出した揮発性の芳香成分を含む油をさします。そもそも植物は何故精油を生み出すのか?を考察すると精油に基づくアロマテラピーの意義が見えてきます。 ・ 香りの誘因効果(フェロモン)により鳥や昆虫に受粉や種子の運搬を託す。・ 精油の芳香などの忌避効果によって害虫やカビなどの有害な菌から植物を守る。・ 葉に粘液性のある精油を産出し昆虫などに食べられないように身を守る。・ 周囲に他の植物が生育するのを抑制する。・ 精油が汗のように蒸散することにより、自らを冷却し太陽熱からその植物を守る。 つまり、これら精油の本来の働きを、私たちヒトの心身の自然療法に転用する考えに基づくものがアロマテラピーですが、伝承的な精油による各種治療の中には科学的・医学的に間違っている例も存在し、その使用、活用には注意が必要です。 精油の化粧品への応用化粧品への応用としては、精油によっては肌刺激があるものもあり、その選択と配合量に注意を払い利用されています。香り成分としては合成香料では再現しえない自然ならではの香りが特徴的ですので、リラックス効果などに繋がる精油をベースとする香り付けは有用です。 「夏バテへ備えるスキンケア」についてお届けしました!次回のテーマは「夏肌癒しのスキンケア」をお伝えします。

肌の夏バテへ備えるスキンケア

昨年2022年は、観測統計史上最も早く関東・東海・九州南部で6月中に梅雨明けが発表され、7月に入り連日の猛暑となりました。今年の梅雨明けはいつ頃になるのでしょうか?温暖化の影響であるのか、「梅雨」のイメージもかなり変わってきている印象ですが、梅雨明け後の7月は、肌にとって過酷な環境が襲いますので、肌の夏バテへの備えを意識したスキンケアへの取り組みが求められます。今回は「梅雨明け後のスキンケア」に焦点を当てたいと思います。 梅雨明け後、7月の肌環境を理解しよう!   梅雨明けを境に、7月の肌環境は過酷なものとなります。夏本番へ突入しますので外気は高温・多湿、一方でエアコン環境下の室内・車内は乾燥・低温という湿度・温度の変化が肌にストレスを与えます。また、皮脂分泌が増える時期に加え、発汗を伴う環境となりますので、メイク汚れと肌汚れが混ざり合った汚れが肌荒れやニキビなどの吹き出物を誘発し、肌自体の抵抗力も衰えさせます。冷房による冷えは、血行不良の原因となり、肌代謝を乱れさせます。追い打ちをかけるように、強烈な紫外線が肌の直接的な日焼けに加え肌老化を促進してしまいます。つまり、高温・多湿、低温・乾燥、発汗、血行不良、紫外線…と肌トラブルを誘発する厳しい環境のオンパレードとなるのが7月です。 肌の夏バテへ備える美容ライフ   1.湿度・温度変化、血行不良への備え湿度・温度変化が一日の中でも何度も繰り返す肌環境に対しては、乾燥対策とバリア機能強化を意識したスキンケア製品を取り入れることで、肌自体の抵抗力を高め、代謝不良に陥らない備えが必要です。 2.発汗による肌汚れへの備え日中の発汗に加え、就寝中の発汗も肌にとっては大敵です。一方で、発汗のメリットも損なうことなく、水分は充分に補給しながら熱中症対策も行い、汗を小まめにふき取りましょう。帰宅時や起床時のクレンジング・洗顔で、肌汚れに起因する肌トラブルに備えてください。 3.紫外線への備え日焼け止めが塗り足らない人が殆どであることがわかっています。日焼け防止のために肌を露出させない工夫に加えて、UVケア製品の日中での塗り足し、塗り直しを是非習慣化してください。怖いのは、すぐには感じることのできない、光老化です。 過酷な夏の美容ライフに「香り=アロマテラピー」を取り入れる 7月は内と外の寒暖差によって心身の変化も気になる時期です。毎日を楽しく、豊かに、健康に過ごすために「香り」を取り入れてみるのはいかがでしょうか。香りが心身にポジティブな影響を与えることは事実ですので、暮らしの中に「香り」を取り入れることは美容と健康の観点でもプラスです。「香気療法」と訳されるアロマテラピーですが、精油((エッセンシャルオイル)に代表されるいわゆる「五感」の中の「嗅覚」を通じて「香りの力」が心身に与える影響を利用した植物療法の一つとなります。ヨーロッパでは医学療法の一つとして体系化されていますが、日本では、アロマテラピーの資格は公的なものでは無いので、一般的には趣味の域にとどまっているというのが実態です。医師が医療の一つとして用いることは認められています。 精油とは?植物の花、葉、果皮、果実、種子、樹皮などから抽出した揮発性の芳香成分を含む油をさします。そもそも植物は何故精油を生み出すのか?を考察すると精油に基づくアロマテラピーの意義が見えてきます。 ・ 香りの誘因効果(フェロモン)により鳥や昆虫に受粉や種子の運搬を託す。・ 精油の芳香などの忌避効果によって害虫やカビなどの有害な菌から植物を守る。・ 葉に粘液性のある精油を産出し昆虫などに食べられないように身を守る。・ 周囲に他の植物が生育するのを抑制する。・ 精油が汗のように蒸散することにより、自らを冷却し太陽熱からその植物を守る。 つまり、これら精油の本来の働きを、私たちヒトの心身の自然療法に転用する考えに基づくものがアロマテラピーですが、伝承的な精油による各種治療の中には科学的・医学的に間違っている例も存在し、その使用、活用には注意が必要です。 精油の化粧品への応用化粧品への応用としては、精油によっては肌刺激があるものもあり、その選択と配合量に注意を払い利用されています。香り成分としては合成香料では再現しえない自然ならではの香りが特徴的ですので、リラックス効果などに繋がる精油をベースとする香り付けは有用です。 「夏バテへ備えるスキンケア」についてお届けしました!次回のテーマは「夏肌癒しのスキンケア」をお伝えします。